俺と死神 −夕焼け眼鏡−/蒸発王
 
後で自動ドアが唸りをあげて開き
鼻歌を歌いながらじぃちゃんが店から出てきた

しまった
見事にしてやられた

振り向くと案の定じぃちゃんの手には
綺麗にラッピングされた老眼鏡が収まっている
俺達が出会ったのは当然だったんだ
目的が一緒だったんだから
じぃちゃんは時間稼ぎのために
俺に眼鏡を


恨めしそうにじぃちゃんを睨むと

“眼鏡の度があってませんよ”
としたり笑いをされた

畜生わかってるよ
母さんを喜ばせることにかけて
じぃちゃんに敵う奴なんていないさ






   グループ"死神と私(完結)"
   Point(9)