俺と死神 −夕焼け眼鏡−/蒸発王
後で自動ドアが唸りをあげて開き
鼻歌を歌いながらじぃちゃんが店から出てきた
しまった
見事にしてやられた
振り向くと案の定じぃちゃんの手には
綺麗にラッピングされた老眼鏡が収まっている
俺達が出会ったのは当然だったんだ
目的が一緒だったんだから
じぃちゃんは時間稼ぎのために
俺に眼鏡を
恨めしそうにじぃちゃんを睨むと
“眼鏡の度があってませんよ”
としたり笑いをされた
畜生わかってるよ
母さんを喜ばせることにかけて
じぃちゃんに敵う奴なんていないさ
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