31.5℃/塔野夏子
 
白く 夏が終わりはじめている

僕らのいるこの部屋も

白い宙になかば浮いたカプセルみたいだ

窓の遠くから

世界の破片で遊ぶ子どもたちの声が

聞こえる

その声もなんだか

きらきらした破片みたいだ

さあ 僕ら このまま

長い午睡に落ちよう

終わりはじめているこの夏を

忘れないように

もっと深く身体に滲み込ませるために




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