水のレース/塔野夏子
 
白い八月の午さがり

目を閉じて

君の幻を見ている

水のレースにふちどられたドレスで

踊っている

きらきら

きらきら

僕の瞼の裏にも水の雫が飛んで

きらきら

きらきら

踊る君のまわりに虹が淡くゆらめいて

このまま

見とれていたい

夏がはかなく終わってゆくことを

君に気づかせないように




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