読むことのスリル──ひだかたけし小論(6)/朧月夜
ともに、「最新の詩」を尊重する、という姿勢を持っています。この詩は、2022年9月に書かれた詩であり、この小論を書いている時点では、氏の最新作のうちの一作になります。詩作者にとっては、このような言明は大いに勇気づけられるものでしょう。「書き続けていればいつかは成功する」という希望を抱かせてくれるからです。
しかし、これが卓越した詩人の巧みな言葉による幻影である、ということも忘れてはいけません。ひだかたけしという自意識に関して優れた洞察力を持っている詩人、そして「書き続ける」という宿命を負い続けている詩人だからこそ、こうした表現は生まれてきます。ただいたずらに言葉を書き連ねる詩人は、この引用のな
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