クリスマスプレゼント/板谷みきょう
 
ビルの立ち並ぶ大きな町の貧しい裏通りに、子どもが大好きで、子どもを前にしては、得にも損にもならない夢を、細い眼をしながら語る、おじいさんが住んでいました。
一日の働きによって、暮らしぶりが左右される程、貧しい生活でしたが、そのおじいさんは、陽が昇ると同じに起きて、駅前通りで靴磨きをして、日が暮れると共に仕事を終え、一日一日を細々と、けれど精一杯、暮らしておりました。

ところがある日、おじいさんは、重い病気になってしまったのです。身寄りのない独り暮らしだったので、近所の人が交代で世話をしていましたが、おじいさんの病気は目に見えて重くなっていったのでした。

それは、もしかしたら貧しかった
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   グループ"童話モドキ"
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