漆黒に彩られた翼−陽鳥に捧げる唄−/りゅうのあくび
 
びた
薬草の欠片を啄ばむみたいにして

不幸と幸福を察する孤独な天秤は
そう必ず釣り合いはしない
幸福はそれほどに軽いので
もちろん命の重さよりは
不幸がまだずいぶん軽いはずだとしても

夜空に馳せる鳥の鎖骨には
緩やかな均衡があるだろう
大地にある母なる巣から
誕生する生命より天空へ架ける夢を
天秤にある片側に置いた方がいいだろう
誰しもの夢には不幸と幸福ですら
ちょうど釣り合う軽やかさがあるように

まるで大空を駆け巡る夢を
馳せる想いとして測りながら
翼とは闇と光のあいだで生まれた
漆黒に煌めく天秤のことだろう
ふと天空から遠方に続く
大地を見渡し
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