夜空を想う町医者/りゅうのあくび
事務のことが
あまり分からずにいた
町医者はようやく
面接を終えたあとでした
この紙は職安にFAXすればよいのかしらと
採用を決めていましたが
横たわる夜空に向かって
そう尋ねたのでした
見習いになった
事務員は静かに
はいと応えただけでした
ちょうど昨夜の町では
この病院が
当直の夜間診療でした
夜泣きをして困っていた
幼子(おさなご)のお母さんが
再び相談に来ていました
幼子のお母さんは
夜空がどうして黒いのか
幼子に教えてあげられなかったので
その理由の答えを
一緒に考えてくれたらとの
依頼でもあるのでした
そんな話し声が
ふわりと浮か
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