恋と愛のあいだの何秒か/りゅうのあくび
瞬きがまだ終わらないうちに
なくなってしまう
数知れぬ一秒にも
満たない想いがあるだろう
とは思うけれど
一瞬のあいだ瞬きをするうちに
恋の始まりはきっと
終わりのない愛になる
陽もまだ出ていないある朝に
まだ眠っている彼女の
うっとりとした寝顔が吐息をしながら
ずっと遠くのほうを
向いていた気がして
夜空の果てがなくなっていくまで
待っていたよ
記憶は巡っていく
二人でStudioに行ったときに
彼女が奏でる
Mozartを聴きながら
ふと伝えた言葉を思い出したよ
まだ出会って間もない頃
「すごく好きだよって
言ってもいい?」と
一緒に食
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