恋と愛のあいだの何秒か/りゅうのあくび
 
に食事をしながら
話していたとき
眼鏡の奥にある彼女のまなざしは
とても澄んでいて

「うん、いいよ」と答えた返事には
きっとちょうどMozartの
第一楽章の最初の音が
始まるときのように声が
弾んでいたことがゆっくりとわかる

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丸い月の周りには
光の輪が明るく耀いている
ようやっと仕事も終わって
同じ駅で待ち合わせをして
ちょうど近くの公園の
大きな二本の樫の木の下で
夜霧のなかを二人でベンチに
深く腰を掛けていたら
アカペラサークルの青年たちが
少しずつ集まっている

発声練習をしながら

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   Point(7)