喪失へのコラージュ/草野春心
ぐに見つめ
られると、何も言えなくなるので、それ
でわたしは冬が好きなのです、と、震動
したから、大気は博識な老人となり、ふ
たたび、拗ねた赤子に戻り、言葉をねだ
り、根絶やしにします、あなたの舌を乾
かすために、誘っています、なんでしょ
う、つめたい、丸い、流れるものの尊さ
を知ってゆきます、こんなにもつめたい、
こんなにも苦しい、朝、なのでしょう、
命を宿しているのは、咳をするためで、
飴を一つ舐めるためで、毛皮を羽織るた
めです、知ってゆきます、明日には必ず、
知っています。
*
なにものかの
[次のページ]
前 次 グループ"コラージュ×4!"
編 削 Point(3)