【批評祭参加作品】文法に果敢に肉薄する文学/石川敬大
荒川洋治が書き記す、詩についての文章は、批評家や評論家のそれとは違う。意図的であるのかどうかはわからないが、エッセイ的であることをやめようとしない。しかし、カン所はいつも的確に押さえられており、透徹した眼力が欠けることもない。
文体の問題なのかもしれない。引用しようとするとよくわかるが、短いフレーズで、ときにアフォリズム的に表現する批評家や評論家の文章とは違い、面的に、文章のながれのなかで表現する傾向が強いようだ。批評家然とした文体に対する抵抗感があるのかもしれないし、それらの文体の力を信じておらず、いっそひと括りにして放擲してしまおうとすらしているみたいに思える。
こんかい読ん
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