【批評祭参加作品】まど・みちおの戦争協力詩/石川敬大
かなこだま」から
これが詩? 単なる行分けのスローガンじゃない、という感想を持つだろうが、戦争協力詩などはいずれもこのような、兵隊や軍国民の士気を鼓舞する類の勇壮で空疎な言葉の列記と相場が決まっている。まどにしても、いくつもの「昂り」がこの詩を書かせたのだろうと回顧している。戦時中における文学者の動向については、強制されたのだから仕方がなかったとか、自国の勝利を願うのは当然じゃないかという意見があってしかるべきだし、戦場にかりだされた友人・知人、家族・親族の無事を祈る心情も十分すぎるほど理解できる。だからといって、だれもが与謝野晶子ではなかったし、猜疑心による隣組の目が個々の悲哀を許さ
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