月の嗤うさき5〜6/……とある蛙
天空に輝く青い満月
降り注ぐ月の光の粒子を浴び
天空に向けた類人猿の
半分できた憂鬱な彼の陰影は
彼の苦悩を炙り出す。
月は光の粒子と欠片(かけら)を注ぎ
それ自身の不思議な顔を類人猿に見せる。
ある時は蟹
ある時は美女(蛙)
ある時は兎
ある時は不気味な殺人鬼
ある時は狂人
月は青い(淡い)光の粒子と欠片(かけら)を注ぎながら
に〜っと嗤う
また、頭蓋骨の中にあの声
成り成りして成り会わないところと
成り成りして成り余っているところを
刺しふさぐ
ため
イザナギ
前 次 グループ"記紀"
編 削 Point(6)