酒呑み2/……とある蛙
仕事帰りに街を歩けば
赤い灯青い灯夕闇を照らす。
裏通り馴染みの
一杯飲み屋に
そこに
今日を捨てに行く。
そこでぼくは
ひたすら喋りながら
呑み続ける。そしたら
なんだか偉い人になってしまい
そこでぼくは
あんまり騒ぎまわって
呑み続ける。そしたら
なんだか痩せ烏になってしまい
そこでぼくは
ただ黙りこくって
呑み続ける。そのうち
なんだかのっぺらぼうになってしまい
そこでぼくは
えんえん意味も無く
呑み続ける。そのうち
なんだか熔けだしてしまい
このまま、呑み続けていたら
自分はどろどろになって
君は僕を見失ってしまうだろ
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