身体のこと/はるな
 

身体がすごくくたびれているときには、マッサージのことを思い浮かべる。
マッサージを受けるのがだいすき。手の平を腰にあてられて、くっと力をいれられると、わたしの薄い背中にちいさな電気うなぎが泳ぐようになる。わたしはとても感じやすいたちで、すぐに声をだしてしまう。もちろんマッサージを施してくれるほうは何も言わないけれど。
マッサージをうけている最中、身体がほぐれて、それは例えば刺繍糸のたばが一本ずつになっていくような感じ、最後のほうにはからだがぜんぶどこかにいってしまったようになる。それはとても心地のよい気分で、たしかにここにありながら、何にも縛られていない。わたしはそのときなにかをする必要が
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