鏡のこと/はるな
 

わたしの一日は、時間によってではなくて、行為によって終わる。
眠りにつくときが本当の一日の終わりなのだけど(だから一日が24時間で終わらないことがままある)、それはまあ誰にでも当てはまることだから除外するとして。

一日を終える前には、湯船につかったり日記をかいたりするが、鏡をみることも多い。自分がどういう顔かたちをしているのかをくっと観察し、点検する。しわやたるみや、眉毛の濃さなどはちいさな問題で、鏡のなかにあるものが間違いなくわたしであるという点が重要だ。
思春期には、ほかの人々がそうするように、わたしもいまよりももっと多くの時間を鏡をみることにさいていた。食事をするときや、読書を
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