元旦のこと/はるな
 

同じことだ。どちらにせよ過ぎていくし、死ぬまでは生きている。うれしくても悲しくても過ぎてゆくのだし、戻れない。手に入れても失っても、過ぎてゆくのだ。何も自分のものにはならない。
そんななのに、街にも、色にも、音楽にも、女の子にも男の子にも恋してしまう。そんなだからどこへもなじめない気持ちで、立ち尽くしてしまう。


眠っている夫の体温はばかみたいに高い。
テレビからあふれかえる2013年。うっすらと汗ばんだ額に顔をよせて、動物の匂いを嗅ぐ。母がかわいらしいメールを寄越すので、携帯電話の画面がつるつるとひかっている。
これから先、何人のおとこのひとの眠りを見られるだろう。
携帯電話の
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