【批評祭参加作品】近代詩と現代詩の受容の違いについて/岡部淳太郎
るをえなかった日本人にとって、日本の原初の詩的なもの(と人々がイメージする)詩の姿を追い求めたいという欲求が働き、それが現在までずっと尾を引いているのだと言うことも出来るかもしれない。敗戦後の半世紀以上に及ぶ時間の中でも詩に対するイメージにさほど大きな変更が加えられなかったらしいことを見ると、それだけ人々が持つ詩へのイメージは強固なものであり、国際化だのグローバリズムだの言ったところで、本質的に変らないものが日本人の中にありつづけたことのひとつの証左なのだとも言える。だからこそ、現代詩ではなく近代詩なのであり、それは何度も言うように、詩の本質がどうかということに関わりなく、人々の間でそのようなイメ
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