【批評祭参加作品】失われた「鈴子」を求めて/香瀬
 
あげたら水玉のパンツを二人とも履いていて、おばはんのパンツ見上げてもつまらんねって彼が言うので彼には教会に行ってもらったら、やっぱり教会はおしっこまみれで、世界は真暗闇で、おしっこはじょろじょろじょろと流れているようだった。公園の周りのあらゆる走路はすべて妨害されていて、上空でわっかにつかまっている老夫婦はお互いのアイスキャンディーを舐めさせあっていたようだった。

 彼が教会に行ってしまったのであたしが代わりにノート・パソコンをいじっていたらまだわっかにつかまっていない女子たち男子たちの何人かが今度はわたちたちが朗読したいというので一条さんって人の別の詩を読ませてあげようとあたしはダブル・ク
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   グループ"第4回批評祭参加作品"
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