批評祭参加作品■現代詩の記号論1/葉leaf
では、可能な解釈のすべてを明らかにすることはできない。よって、分析は、真実の全体を把捉することができない。
C2b.作品は、切迫感や美感を通じて、読者に、真実感を抱かせる。だが、真実感は、作品の性質やそれが喚起するイメージなどが複雑に絡み合って読者に誘発するものであるから、真実感の原因を分析するのは容易ではない。
確かに分析によっては解釈のすべての可能性をとらえることはできないし、真実感の原因を完全にとらえることもできない。そこに分析の限界がある。その点、詩について文学的に含蓄深く書けば、解釈の可能性のうちの広い部分をカバーできるかもしれないし、読者に美感を与えることで、自分の感じた真
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