批評祭参加作品■僕たちの罪は、どうすれば癒されるのだろう/2TO
 
いちまい、棺のうちがわにはりつけていく。」その行為は「まいばん、棺にかいがらをはりつけていくこと、きっとそれが、わたしの祈りだった。」(以上第三連)。最終連に当たる第四連に「かいがら」という単語は登場していないが、代わりに貝殻を貼り付けられた「棺」の「そのふたを閉じ」られた姿、その形体が「二枚貝」を連想させるに相応しい「かいがら」のイマージュを見出すことができる。

 この最終連で見出された「かいがら」というイマージュは、改訂によって生み出されたことに言及しておく必要がある。互いに向かい合わせにある二つとして同一のテクスト―――改訂を施された一編の詩。それぞれに表される違いを考察することは、二
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   グループ"第3回批評祭参加作品"
   Point(4)