批評祭参加作品■「 寝た子は起こすなそやからおちんちんについて勃起しないで考えてみる。 」/PULL.
 
なぞる」のは、ひどく落ち着いた行為で、心臓がじょじょに冷たくなってゆくのが相手に知られてしまわないかと、そればかりそればかり気にしながら、行為を続け、終えた。
 オナニーを覚えたのは、その後だった。
 行為の後それを、誰にも言うことはなかったが(言えないややこしい関係だった)、それでも授業の最中や部活の練習の最中に、ふと、想い出してしまうことがあった。そんな時は、おちんちんに命令して(おちんちんに命令をするのは小学校の時に覚えた)主張を思い止まらせ、後で、家に帰って、夜。家族が寝静まるのを注意深くじりじりと待って待ち続けてから、続きを想い返し、小学校の頃に調べ一度実行しようとして途中で虚しくな
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   グループ"第3回批評祭参加作品"
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