絶語の果て/渡邉建志
うした遊びをゆるしてくれる本は、そう多くはない。不思議なのは、内容の純度が高いほどにそうした精神のあそびを促しもし、またゆるしてくれることだ。
亡くなる7ヶ月ほど前の、新聞への寄稿。
何を書けばいいのかわからない。何を作ればいいのかもわからない。生きていることの価値が分からなくて死のうと思い続けた日々があった。かなり長く。なにも作れないまま日々― 長い夏休み、とわたしはよんでいた― を抜けて、わたしをひとに印象づけることよりも、想像のバトンをひとに渡したい、と今は思える。そのあと、わたしが書いたことと「一見無縁な寄り道」がそのひとにつづくなら、わたしが生きた価
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