アクロバティックな午後/合耕氏の作品について/渡邉建志
 
たくらみが失敗したそうだけれど、「みちゃいられない」(特徴ある言葉遣い)のは、擬人化された風だというのです。

蓋をするみたいに
なぎ倒さずに なぎ倒す いろいろ
笑えるけど まだ笑わないでいる僕は

このあたりに主語動詞関係を主にいろいろ入り乱れて作者らしい味だとおもう。「蓋をするみたいに/なぎ倒さずに なぎ倒」しているのは風だろう。その同じ行で改行しないままにいろいろときているのはおそらく「いろいろなぎ倒す」でもありつつ、もう次の行にかかっていて「いろいろ/笑える」でもあるんだろう。笑えるという言葉はとても口語的で、こういうふうに使
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   グループ"フレージストのための音楽"
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