詩想 ?2/黒乃 桜
とか。
気付けばカッターを取り出し、気付けば送り主が自分のために一生懸命選んだであろうそのマフラーをズタズタに引き裂いていた。
それにまた嫌気が差して、ズタズタになったマフラーとカッターをゴミ箱に放り込んでベッドに突っ伏した。
「ああもう何もかも終わってしまえばいい」
ベッドに突っ伏したまま呟く、自分のくぐもった声が消えていく。
強いていうなら試奏が、しっくり来てしまったという事。
そんなはずじゃなかったのに。
最初から、上手に行く事なんて無いってみんな言ってるのに。
なんで自分だけ、こんなに上手くいってしまうんだよ。
ぐしゃぐしゃっと髪を片手で掻き上げて、そういえば、と
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