「名」馬列伝(15) クラキングオー/角田寿星
長距離戦には滅法強く、ブリーダーズGCの常連だった。
古馬になってからは、逃げまたは積極的な先行策という戦法も確立された。
5歳の道営記念、3度目の挑戦。
1番人気の彼は、3番手から3コーナーで捲りを打ち、先頭に躍り出す。
そしてそのまま、先頭でゴール。待望の栄冠を手にした瞬間だった。
次走の名古屋グランプリも4着と好走。彼の更なる活躍を予感させる走りだった。
が。6歳2戦めのサクラローレル賞で故障発生、競走中止。
獣医師の診断は右前脚靭帯全断裂、球節複雑骨折。予後不良級の重症だった。
ここから、彼とスタッフの、もうひとつの闘いがはじまる。
オーナーブリーダーでもあった牧
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