「名」馬列伝(17) エイダイクイン/角田寿星
「代打屋」という競馬用語が使われなくなって久しいが、
先日引退した菊沢隆徳騎手は腕のいい代打屋だった、といっても過言ではないだろう。
重賞10勝のうち、テン乗りで4勝。特別戦になると枚挙に暇がない。
更には関東の騎手なのに、関西馬で実に6つも重賞を勝っている。
関西の厩舎が関東やローカルに遠征する時、菊沢に依頼するケースが多かったのだろう。
地味な印象の騎手であったが、関係者からの信頼は、想像以上に厚かったと思われる。
そんな菊沢騎手も、G1レースでは3着が三度あるだけで、縁がなかった。
チャンスは皆無だったわけではない。
皐月賞のダイワメジャー乗り替わりでは、さぞ悔しい思いを
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