「名」馬列伝(20) グルメフロンティア/角田寿星
 

単勝は買いにくかったが馬券の軸には最適で、お前はいつ勝つんだよと揶揄されながらも、一部の競馬ファンに非常に愛されていた。
末脚が甘くて今ひとつ勝ち切れない競馬が続いていたが、同じ競馬場の同じような距離のレースで、騎手も岡部か加藤和という手練のベテランを乗せて、じっくりと競馬を覚えさせていたのだろうか。現在ではそんなふうにも感じる。

1年以上かけて5歳2月にめでたくオープン入り。
オープン緒戦は2年ぶりの重賞出走となる、中山記念だった。慣れ親しんだ中山芝1800m、メンバーも比較的手薄。
ここで彼はいつもの目立たない末脚をみせ、4着に食い込んできた。
そう、彼は重賞も条件戦も変わり
[次のページ]
   グループ"「名」馬列伝"
   Point(2)