「名」馬列伝(20) グルメフロンティア/角田寿星
わりなく、彼なりの力を発揮できたのである。どこかのG3を一つくらいは勝てそうだと期待に胸を膨らませたことを思い出す。
あっと驚く逃げで砂の強豪エムアイブランを抑え込んだ、ながつきS。
前が詰まって3着と、悔しい思いをしたカブトヤマ記念。
実はカブトヤマ記念は、どうしても勝ちたいレースだった。厩舎の思惑としては連投で次週の秋天皇賞に出走させる予定で、そのためには賞金の加算が必要だったのである。
それが3着。ピンチであったが、なんとかぎりぎり出走に漕ぎつけた。
この年の秋の天皇賞は、最終直線でのエアグル―ヴとバブルガムフェローのつばぜり合いが有名であるが、その5馬身後方で、彼は激しい3着
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