「名」馬列伝(19) フジヤマケンザン/角田寿星
ものすごく頭のいい馬だった、と聞く。
スパルタで有名だった厩舎の調教をしっかりこなすだけでなく、インターバル、クールダウンまで、調教助手の指示に従って粛々と行ったというのだから、只者ではない。だからこそ550kgにならんとする巨体でありながら、高齢になっても一線で活躍を続けられたのだろうし、あれだけの頻繁な遠征にも耐えることができたのだろう。
芝1800mのスペシャリストだったが、こうした一定の距離で良績を発揮したのも、彼自身の頭の良さの為でもあったのではないかと、筆者は考える。きっと、ペース配分や勝負どころなど、長年の競争生活の中で、彼なりに掴んできたものがあったのではないだろうか、と。ただ
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