面接(11)/虹村 凌
い。彼女の方が、責任ある仕事を任されている訳だから、何も毎日ずっと一緒にいわれる訳ではない。ただ、こういう日は決まってあいつが出てくる。あまり、望んでなどいないのだが。
「おかえり」
「…」
「つれねぇな。一人じゃ淋しかろうと思って言っているのに」
「余計なお世話だ」
「上手い事やってるじゃねぇか。お前、役者の才能あるんじゃねぇの?」
「うるせぇよ」
「いつまで誤魔化せるのかと思ってたが、何だ、隠し通せるかもな」
「…」
「まぁ、そうはさせねぇよ。段々と違和感を感じなくなったようだが、それもいつまで続くかな?」
「どういうことだ?」
「言わなきゃわからな
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