面接(14)/虹村 凌
 
も違う。
「ふーん」
 彼女はつまらなそうに、マルボロライトを吸っていた。つまらなそう、と言うよりは期待外れ、と言う方が正しいかも知れない。俺は、半分以上残っているセブンスターを灰皿でもみけして、冷蔵庫を開けた。俺が、いた。
「お前…何でいるんだよ…」
「あの女はお前の事知ってるだろうが」
「…」
「フン。何やってんだよバーカ」
 俺は黙って水を取り出して、冷蔵庫を閉じた。味のしない液体が、食道を下っていくのが、よくわかる。ペットボトルの中の水が、脈を打つようにドクン、ドクンと波打つ。
「ねぇ、私にも頂戴」
 女は手を伸ばす。
「いいけど、お前少しくらい隠せ
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