俳句の非ジョーシキ/佐々宝砂
あるのを「季重なり」といい、あまりよいこととはされません。ただし、春の運動会や、真冬のゴキブリのことを描きたかったりしたら、季重なりもやむをえないので許されます(「運動会」は秋の、「ゴキブリ」は夏の季語です)。さらに言えば何事にも例外はありまして、夏の初めに毎年どこかで見かける俳句「目には青葉山ほととぎす初鰹」は、季語をみっつも使った反則技にもかかわらず、人気が出て人口に膾炙しました。要は受ければ勝ちです(笑)。
2.空白
「なんとかや なんとかかんとか なんとかだ」という感じで、五七五の区切りごとに空白を入れている人をよく見かけます。あれは素人くさいし、間延びした感じになってしまうし、ま
[次のページ]
前 グループ"俳句の非ジョーシキ(トンデモ俳句入門)"
編 削 Point(16)