その2俳句の非ジョーシキ/佐々宝砂
このシリーズは「俳句の非ジョーシキ」であって「俳句のジョーシキ」ではない。勘違いしてる向きがあるとびみょーになんだから、念のため。
さて、ジョーシキを蹴飛ばす前にジョーシキを認識しておけということは書いたが、もうひとつ考えておかねばならないことがあった。つまり、ジョーシキがなにゆえジョーシキとされてきたかということだ。なぜ季重なりはいけないのか。なぜ切れ字のダブりがダメなのか。これらの問いに答はただひとつ。
季重なりの代表句「目には青葉山ほととぎす初鰹」が未だに受けるのは、それがいかにも「初夏!」だからだが、その手の俳句を許すと同種のものがいくらでも簡単にできてしまう。「目には青葉…」
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