二十歳に書いた歌詞 /板谷みきょう
『この春に』
私十九のこの春に命を捨てに参ります
積丹半島神威岬念仏トンネルくぐって行きます
私の好きなあの人は関係無いと行ったけど
耳の聞こえぬその事であの人の親が反対しています
都会じゃ権利を主張して世間は認めてくれたけど
こんな田舎の漁師町では家にひそんで生活しています
聞こえぬ事をいいことに喋れぬ事をいいことに
何をするにも笑われて今まで幾度も騙されてきた
仕事をしようと思っても聾者と知ると断られ
やっと見付けた縫製工場手まねの話しで職場の人が
聞こえぬ喋れぬその他のどこが違うというのでしょう
誰も解ってくれなくて解ってくれたあの人も 今 …
手まねで話をし
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