十九歳に書いた歌詞/板谷みきょう
 
『雪の中』
雪の中歩いてく
膝まで埋まって歩いてく
春が来るのを信じながら
明日は明日の風が吹くと
無理をして
引かれ者の小唄を歌っていた

雪の中歩いてく
腰まで埋まって歩いてく
来るはずのない春を待ちながら
あれから明日は来なかったし
風さえも吹かなくて
後悔先に立たず噛み締めていた

今までだって嵐や吹雪の中
歩いて来た
誰もが皆そうだったし
解る事は自分の事だけ
皆いつかは死んでしまうのに
何故笑って居れるのでしょう
死ぬのが厭でも死んじまうのに
僕も笑って過ごしてる

雪の中歩いてく
首まで埋まってもう歩けない
体が冷えていくのを感じな
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