私の中に
深く 深く
埋められたものたちを
日々に 深く
掘り返している
とても
大きな穴が
あく
おまえは いらない と
なにか かたちのないものが
あらわれて いいつのる
そんなことはない
わたしは ここにあるべきだ と
わたしも ぶつぶつと
いいつのる まいにち
それでも ....
花をめざしたのか
鳥をめざしたのか
風が吹いて
たかだかと のぼり
雨が降って
ふかぶかと しみこむ
そうだ
火をつけて
燃やしたのだ
だから
大きく 大きく
ひろ ....
ふと 夜に出れば
中天に 月 あかるく
なおなお 夜 くらく
また 夜 さむく
何者が 見上げる月か
何者を 照らす月か
一度だけの いのちが
それでも ここで
どこにやり ....
手をのばせばとどく思い出の
目を閉じた手触りの
とりかえしつかなさ
誰も悪くない 罪
誰にもわからないのに 罰
今にしてみれば
もう陰っていた光の
ひとつひとつのしぐさ
....
からだをまるくちぢめて
うたえないうた
かけないことばを
つぎからつぎへと
もてあそぶまよなかに
ただひとつのこる
ほんとうのことは
かなしい
かなでてしまえば
もうそこには ....
いちばんうつくしいものは
いきて うごいているもの ですが
つかれはて とまりはてて
くずれさってゆくものたちの
なんという いとおしさ
なごりのかたちばかりを
とどめて うごか ....
今は
音が いい
ことばも
色も
かたちも
いらない
今は
音が いい
夏ではない海に
沈めてしまえるものでしょうか
私たちが紡いだ金色の思い出
もう 灰色の霧に閉ざされて
セピア色の彼方の風景
春ではない草むらに
置いていけるものでしょうか
遠くか ....
なつかしげに からまった
毛糸玉をほどけば
ふわふわと 手触り柔らかに
つながっている糸
すべてほどいてしまったら
もう一度 からまりあった玉に
丸めてゆきましょう
もう一度 ....
そろそろ 手の届かない高さで
とても 持ち上がらない重さで
絶対 よけられない速さで
全部は 見えない広さで
たとえきれない 複雑怪奇
もう 背丈を越えて 流れています
どこかで 何かを
救わなければ なりません
ひきとめることのできなかった
言葉たち
みんな みんな
振り返ったところに 流れていって
つなぎ止めることのできなかった
言葉たち
....
ひとり
ひとときの
なぐさみに
ときばかりを
ほうりなげれば
ひきはがされて
かたちどられた
からだのなかに
なにもはこばぬ
かぜ ふくばかり
わだつみの
みぎわ ....
事象の先に 行き止まる 今
深く 古いところから 聞こえる声を
身体の底で 聞いてみたい
全てを統べるものなど いない 今
うたは 身体の奥深くにだけ 響く
うたは 身体が かた ....
なにか とても
からっぽになったので
そこらへんから
どうでもいいものや
くだらないものを
いっぱい ひろってきて
つめこんでいます
きらめくものや
たいせつなものは
ひろうたび ....
酒を飲みながら
ああ もっと酒を飲みたい
と 思ったり
タバコくわえているのに
ああ タバコすいたい
と 思ったり
生きているのに
もっと 生きたい
と 思うのと
同じでしょうか
まよなかに
すずのねが
ひとふり ちりりん と
きこえはしないかと
めをとじて
まっている
もうすぐ きこえても
いいように おもえて
まっている
いのちよりも
とうといものが ある
といっては たたかい
いのちよりも
とうといものは ない
といって
たたかうのを やめる
たんなる それだけの
ことなのですが
さて ....
なにげない
なつの ゆうぐれ
そんなに たかくは
とべやしない
ふうけいの なかの
いっこだけの てん
であるところの
わたしが
おさまりきれない
でかすぎる ゆうぐれ
あ ....
私の中に
黒々と
夜が あって
夜の中には
顔がある
ひとつ
私の中の
黒い黒い
夜の中で
笑ってください
みちばたに
おきざられた
かなしみは
あかねいろのくも
すみきったほしぞら
のような
なつかしいところへ
のぼってゆけば
いいのにな
ふかい うみのそこ
あおい みずのそ ....
ふうせんのように
いっぱい いっぱい
つまっていて
ぷつりと
あながあくと
ただの
そとのかわ いちまいに
なります
だれかが いってます
だれも だれも いない
いち ぬけて
にい ぬけて
ぽろぽろ ぬけて
ごそごそ ぬけて
ハイ おしまい
と いうわけには
いかない
海の風 と 書くと
なんだか とてもいい
目をつむって
なんだか とても
なつかしい
海からの風
でも いい
とてもいいので
思い出して
つらい
海の風
ここ ....
まいにちに
ぽつりと いってき
かなしみを おとすと
どんどん どんどん
ひろがって
やがて
なんだかわからない
なにかに
なってゆきます
ふっと
とてもおおきな
かみさまが
おやゆびと
ひとさしゆびで
つまんで
もっていって
しまいました
そして
ふっと
ここには
いなくなりました
かみさまは
とても ....
すくわれている
すくわれていない
せかいと わたし
あなたは せかいに
ゆるされていますか
あなたは せかいを
ゆるしていますか
かたときも てばなせない
こころ と ....
いるとすれば
とんでもなく 無能な
かみさまが
うばっていったものが
みけんのしわに
ひっかかって
とれない
これも ほね
はくぶつかんの
くじらの ほね
わあおおきいな と
おさなごたちが
みあげるので
かなしくはない
くじらの ほね
わあおおきいな と
わたしも みあげている
....
今日は たとえ話できない 真夜中
哀しみを 忘れていた夜の ひとりごと
今日も どこにもいない 夏の朝
ふつうのかおをしている かなしみです
あれは8月だったか 黒猫の死んだ日 ....
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