大切なガラスの箱の中には
「無いこと」が入っていて
もう二度と開けることはできません
たくさんの絵本は
どこを開いても終わりのページです
お姫様は死んでしまいましたとさ
おしまい
....
不意に 認識が
足元から立ち上がって
見上げるばかりに
大きくなる
視界が 闇の中に 崩壊する
「ここ」が 彼方に飛び去って
見たことのない「ここ」が
目の前に立ちはだかる
....
少女は いつのまにか
もつれていた糸を
すべて ほどいてしまいました
ほどいた糸の先は
どこにも つながっていませんでした
とてもかなしかったので
少女は 死んでしまいました
私 ....
サカナになってみたいけど
なれません
トリも むりです
ネコには なるひつよう
ないかもしれません
イヌになるのは
かなり いや
サルには
ときどき なってます
さよなら
くものうえへ
さよなら
じめんのしたへ
さよなら
しろいふくで
さよなら
どこかへ
さよなら
ほんとに
さよなら
青いガラス細工の小さな箱に
真っ白な綿をしきつめて
大切にしまいこんだ
ひとつの化石
時計の針が 逆回りする夜に
ふっと灯って
ふわふわと 光りはじめます
....
隙間なく続く 雨の音と
ささやくような ピアノの音
雨のしずくがつたい落ちる 窓ガラス
街が 濡れています。
ふと開いた本からも
文字が こぼれ落ちていくようです
....
白いきつねのお面をつけて
鬼ごっこ しています
息をきらして追いかけても
みんな 逃げていきます
鬼 は 私
おにさん こちら と
はやされながら
....
なにもかも 君にあげる
沈んで行く夕日
金色の時間をあげる
ふと見上げる青空
銀色の光をあげる
お祭りの夜
祭囃子の笛の音
海と一緒に箱に詰めた
宝物の貝殻たち
....
かげふみ かげふみ
かげ いつつ
よにんきりしか いないのに
かぞえてみると
かげ いつつ
あのこが かえってきたのかな
はしっていくかげ おいかけて
や ....
結局は 助けてくれる人 いません
でも つながりあって 生きています
助けてくれるつもりなんて なくても
つながりあっているので
からまりあった 細い絆の上で
お互いに ....
不器用な 太い指で
ごつごつと
つかまれたものだけが
現実ではないので
不器用で 太い指の
私は かなしいです
メール ではなくて
手紙 を書きたいと
思いますが
今は そんなもの
受け取ってくれる人は
いません
へたくそな字で たどたどしく
手紙を書いていたのは
....
ひかり
とどかない
あおいそら
みあげたくて
空気の底
笛の音
かすかに
沈んで行く音
時計の音
きざまれる音
青い結晶
かがやく
青く 青く
照らされた顔
....
生きてるものは みんな
死亡率100% です
いつ どうやって 死ぬんでしょうか
もう 笑って死ぬことは
できそうもありませんが
さて 何かを 残せるでしょうか
....
本は あれこれ
けっこうたくさん 読みました
でも やっぱり
まっ赤なウソの
いいかげんな本でなければ
そこから先は わからないよ と
書いてあるだけです
....
つづく なぞなぞ
どこにでもあるもの なんだ
どこにもないもの なんだ
おまえだけのもの なんだ
おまえだけ もってないもの なんだ
曲がりくねった 闇の底から
....
消しゴムは 使えませんね
紙も 消しゴムも
まっくろに なってしまいます
消してしまおう なんて
思わないで
描き続ける他 ないです
描けば描くほど
ま ....
ドライフラワーをつくるには
花を下にして
どこか 部屋の隅に
つるしておきます
たいていは 忘れた頃に
できています
薬は使わないので
茶色のカサカサにな ....
一個の完成した球体のような
そんな音楽だと思うと
モーツァルト だったりします
どこにも不足のない美しさが
かえって もの悲しかったりします
お葬式に 行ってきました
亡くなったのは 私の おばさん
87才の おばあさんで
とても 穏やかで 平静な顔でした
死を考えるのには 疲れてしまったので
ちょっといや ....
まぼろしのように
いつも 私の中にある
アパートの風景は
やはり もう まぼろしで
罪も 罰も まぼろしの中を
たゆたっています
アパートの風景は
今 ....
車を走らせると
道沿いに咲いているコスモスは
ピンクや白から 黄色に
流行りが変わったようで
黄色く咲いているコスモス
5月に咲く黄色い花の
かなしい思い出に重 ....
なにもかもが ふくれあがって
まっしょうめんに おきざりにされたまよなかを
うけとるきになれないので
さけをのみながら めをそらしそらし
それでも ふくれあがっていくまよなか
....
今日は 暑かった
今日は 忙しかったと
なにげなく 言い合う
いつもの 二人の会話に
今日も かなしかった と
言うのは やはり
重すぎるので
二人とも
....
平気な生活ではあります
どこかで なにか
流れ落ちていますが
平穏無事ではあります
壊れたものは 壊れています
ごく あたりまえです
あたりまえの 平気な生 ....
たべてみたり
のんでみたり
みてみたり
さわってみたり
かんがえてはだめです
たべてみたり
のんでみたり…
どこにもやれないので
かかえてあるいています
おいていくわけにいかないので
いつもおんぶしています
だれにもみえないので
どんどんおもくなります
つよくなるために
....
立ち止まっては
見回し、
また、立ち止まっては
見回し、
ここは
どこでしょうか
こころは ならんでいたい
ゆったりと てをつないで
ならんでいたい
できれば たくさん
ならんでいたい
むりなら せめてふたつは
ならんでいたい
そと ....
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