首切り地蔵は
首切り者ではない
雨の日には里芋の葉を誰かが乗せる
緩やかに窪んだ底部に向かって
雨粒が集まっては弾ける
首を落とされた日があった
首切り地蔵は
首切り者ではなく

首 ....
冬の昼間を首から切って
空から巨大な葉が一枚
落ちてきた
その交差点には人が点在しており
時々神社の境内の苔生した石の上に小さな赤い虫がいることがあり
手をついて座るときに色をつけるが
お ....
やけに暗い緑色だと思った
真ん中のひゅるりとした布の裂け目が
暗い
目の前の人間がなにごとか話し
私の体が脱臼していく
頭と首は左へねじれ
右手は直角に天をさし
右足はぶらりと行方不明
 ....
どうしたのだろう
いつの日からか母は新聞で「死」という字に赤く印をするようになった
どうしてだろう
いつの日からか母はそうして新聞社に電話をするようになった
どうかしたのだろうか
そのときの ....
昔のレコードプレイヤー
クラシックレコード
象眼の花瓶
折れた珊瑚
人のくれたリュックサック
古びたパイプ
本がいくつか
マフラー

持っているものは数えられるほどしかない
持って ....
目の前の男の
わたしからみて
右耳から顎の先まで一直線に切り取られているのを
わたしからみて
なにか問題が山積みのような気がした
何度見ても
男であり
右耳から顎の先まで一直線に切り取ら ....
なにが問題だったのか思い出せないが
風車だけが回っている
からからと音を立てて
空の曇りと
鈍い緑の平原
汚れた漆喰の家と
どこかを見ている巨大な男の横顔
からからからと
音を立てて
 ....
ホルマリン漬けにされたものは動けるじゃない
いや生きているかどうかは知らないけどさ
だけどあれをアクリルかなんかでさ固めてみたらどうだろう
動かない
動かない
いいね
保存食は保存された食 ....
夕暮れの町に水が流れている
ぱしゃぱしゃやってる老人
水色の傘をさしている
ゆっくりと流されている
くるくると回転しながら
誰かが落とした躑躅の花
睫毛のような雌しべ
雌しべの長い女
 ....
草むらで無数の虫が舞っていた
概ね円を描くように
青黒い虫が若草色のジャングルを旋回している
終わることの無い
いやもう何度か終わったのか
今度はどう終わるのか
どう消え尽くすのか
白昼 ....
したためる
水の入ったドラム缶の底に
肩まで浸かる

太陽
ふりあげて
空から土に弧をえがく
やけどをしている
ものたちが
列を為している
稚児が分け入り
払われ
母の代わり ....
かぜがこすれてうずをまく
太古の夜がにじみでる
雨が黒の
合間を縫って
土の人の声を通さぬ
さしづまる夜の帳を
夜の帳を
いっぴきの猿が舞う
あちめ
三日月を長い腕で掴み
鮮やかな ....
 あめがふっている
あめがふっている
息苦しい
喉奥に水滴があつまっていく
緑色のものがうまれはじめた
くぅら
くぅら

口の中に植物園
 木立に紛れて
 ....
朝、一番最初に知ったことが同僚の死の知らせだった
自殺か他殺か事故死か病死か
自室で死体が見つかった
ペットボトルから水を飲むとき
クイっと手を添えて顔を上向けるクセのある人だった
死ぬ理由 ....
数日前に何気なく口から走った
くだらない言葉が
ぼろぼろになって帰ってきた夜に
あんぐりと口をあけて
その夜にほうりこんでいく
方方巡った小さな言葉は
無い皮膚を剥がされ
無い指を切られ ....
このじどうてきあおがえる

けr
  ろ

きろ
  ジィ

  脱げ

冷たい目で   ひんむけっ

白く曲がった肉

  ふくらんできた

そ ....
おれがおれの
健康診断にいったら
後ろのやつが
うるせのだから
タバコをすいやがって
てめえええ
そのうしろのやつが
首をかしげて
その首に押し付けるのだああ
じゃ ....
ムラウチさんは横に座った人間が
とてもにおったので
ウエストポーチから取り出した
爪楊枝でそいつの手の甲を
刺した!
殴られた!
折れた!
歯が!

ムラウチさんはポ ....
我が球体は天に擦れ
地延の終わりで灼熱の炎を上げる
地空数メートルをゆく雲は
今見過ごした賞花を手を握る
星の数は海の眩み
白い首はなだらかに老いた
今ここ草原に眠るは
柔 ....
金銭感覚がよくわからなくなると人は欝になるそうな。
Kさんはコガネムシばかりを見つけては食べるようになってしまった
Kさんはとても苦々しくコガネムシを噛み砕くけれど
もともと苦々しい顔の人 ....
胎内回帰するということは
生まれる前に
だから
死ぬということだ

焼け野原に相応しい
焼死体になって

あの

焦げ付いた口授に
相応しい

呼吸すらしていない
未熟な身 ....
ホトトギス
片羽残した

肘から
落とした

それを
みていた

はじめ
うそのようにあかく

おわり
くろのようにあかく

ほうけて
ゆーひ

きゃらら
百合の皮をめくりたいという人がいて
道の真ん中で手をゆらしている
まっくらなのだ
まっくらなのだ
薄皮一枚
光の場所
あん人
あん人の
ところにいくだ

唱え ....
土のなかに宝があると
いいて
あす
かげのなかを下りてゆく
くつ
もう三日、たべていない

水みたくつめたい風、月
稚児
赤交じりの着物に隠れ
黄鉄鉱と黄金の別を知らず
アヒル顔の男が道端で鳩を貪り食っている
雨が少し降ってバスが男を消した
蓮根を持ったおばさんが「アバンギャルド」と呟いて横断歩道を歩いていく
空はもう黒
海のように黒
日光浴をしていた男の腹 ....
アキヨシ(25)
タイトル カテゴリ Point 日付
首の颯爽自由詩112/2/25 0:48
葉の来訪自由詩312/2/7 21:33
ひびことはずれ自由詩112/1/30 23:03
新聞自由詩312/1/26 23:15
所持品自由詩311/6/18 13:38
閉じた湿原自由詩011/6/3 23:48
停止した内部自由詩211/5/28 23:46
空間自由詩111/5/25 0:45
水の流れるだから自由詩311/5/21 0:33
消え方自由詩211/5/18 23:22
切断面自由詩111/5/16 2:04
土の人の声自由詩211/5/11 0:48
みどり座自由詩111/5/2 23:10
訃報自由詩311/4/26 9:58
世話自由詩311/4/24 22:10
口房自由詩010/5/1 1:02
たばこすこすこ自由詩210/4/14 0:07
ムエウチさん自由詩210/3/29 23:33
空告白自由詩010/3/19 8:51
金蟲自由詩0+10/3/1 0:10
胎内回帰自由詩210/1/24 2:55
塔のミコエ自由詩210/1/21 1:51
夜花未満自由詩210/1/19 21:23
織部自由詩110/1/11 23:50
冬篭り自由詩310/1/6 22:01

Home
0.35sec.