ジェット機が切り裂いた
灰色の空
僕はその狭間に揺れて
あっちとこっち
どっちへ行こうか
迷っている
びしょびしょの雨空の下
もう ずっと 前から
もしもし
君はまだ そこに居ますか
壁の向こうに呼びかけたら
少し楽になったようでした
なにしろ僕ときたら
何でもすぐ忘れてしまうから
いつか君のことさえ
....
「一日目」
悩んで迷って疲れた末に
ほんの少しだけ
夢をみました
(もしかしたら
逃げたかったのかも
しれません)
目覚めると 雨が降っていて
....
夜を一粒切り取って
そらの畑にまきました
僕はじょうろで月光を集め
水の代わりにしてやりました
夜はすくすく育ちます
薄闇の芽が出て蔓が伸び
月光を喜んで吸い取りま ....
あまりに水ばかり垂れるので
くしゃくしゃに、こころ絞りました
春風に当てて乾かしたら
ふうわりと空へ逃げました
僕はことり、と胸が痛んで
こころの風船追いかけました
....
群青の空に
月が出ていた
レモン色の
まんまるい月
あれはなぁに、と
君が言うので
天国だよ、と
僕は答えた
ふと
出かけたくなったので
読みかけの本
膝に置きました
しおり代わりに
嘘を挟んで
軽やかに
ドア開け放ちます
鍵はかけなくて
良いでしょう
....
なぜでしょう
夕闇が迫るにつれて
僕の心は
空っぽになるんです
まるで
間違ってここに
迷い込んだような気分
本当の居場所が
他に在るような気分
....
大丈夫です 治りますよ
主治医に告げられたその夜に
またしても僕は
開けてしまう
幻と現の境目の扉を
そこはとても明るくて
少しほっとする場所で
自動販売 ....
打てば鳴りそうなこんぺいとうに
いつかの夢をぶらさげました
眠れぬ夜に凍えても
決して寂しくないように
やがてつららが溶ける頃
こんぺいとうは消えました
落 ....
こぼしきれない涙と共に
君は小さな魚になった
水のような言葉を吐いて
灰色の街へと逃げてゆく
いつか大きな水槽を買ったら
君を探しに街に出よう
そう呟いたら君は ....
泡となって消え逝く声は
きれぎれに散って
青空へと昇る
ちぎれた声を貼り合わせたら
いつかまた君に
逢えるでしょうか
あの回送列車に乗って
君の手も届かない場所へ行きたい
勝ちも負けも関係ない
隅っこに在る小さな場所へ
そう考える僕は
泣きそうな顔をしているのかな
夕暮れ
....
口笛を吹く余裕はせめて
いつも残しておきましょう
両手の荷物が重くても
家路がどんなに遠くても
それは放課後のチャイムのように
君の心に響くでしょう
何も見 ....
寂しいと口にした時点で
もう旅ははじまっていた
終わりのないかなしみの
端っこまでずっと歩いてゆくような旅
そんな途方もない旅が
もうすでに始まってしまったんだ
....
切って砕いて
煮込んだら
あとはおいしく
頂きます
生ではとても
食べられない
あなたの冷たい
その言葉
投げつけられた
その言葉
君がどんどん
僕を切り取ってゆくので
ついに僕は
一粒だけになりました
海辺の砂のように
乾ききった一粒の僕
君は少し
ためらいながら
僕を道ばたに ....
簡単にすむのなら
言葉なんていらない
分け合えるのなら
心なんていらない
何もかもを取り去った世界を
君は美しいと言えるのかな
うたを歌いたくて
仕方がないのに
旋律も何も出てきません
胸を震わせ 言いたいことを
あらわす術を持ちません
だから川原へ行きました
枯れた喉を潤すために
....
まるで
寂しい子供のように
優しい言葉を
待っています。
冷たいのはいやだから。
傷つくのはこわいから。
寂しい子供は寒空の下
どんな言葉が
欲しいでしょう。
一体僕は寒空の ....
痛みはたたんで隅に寄せ
汚れたこころは洗います
今日は晴れていますので
明日までには乾くでしょう
昨日も今日も洗濯日和
明日もずっと洗濯日和
必要なのは雨ではな ....
硝子を強く
打ち合わせたら
どちらも割れて
無くなりました
光る欠片は
綺麗に見えて
僕の素肌を切りつけます
硝子は
君と僕でしょうか
光る欠片は ....
冷凍庫には
入れないで下さい
私は水気が多いので
すぐに凍ってしまいます
万が一冷凍庫に入れたなら
どうかそのまま出さないで
出したが最後 私は溶けて
後 ....
顔の見えない教師が問うた
「本当に大切なものは何でしょう」
僕は答えが解らずに
冷たい机に突っ伏した
いつになっても答えは出なくて
ふと気がつくと教室は
教師と僕の ....
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