周辺部から凍った窓ガラスの中心付近だけから
 おぼろげに見えるような暖かい部屋の中に
 私が居て
 娘と息子が居て
 そして妻が居た

 何年前の、いや
 何十年前の光景だろうか ....
黄ばみはじめた木々の葉のそよぎに
 秋の日の光はまぶしく溢れ
 空は青く高まる

 いまここに
 予感される人生の嵐の前の静けさの
 一瞬(ひととき)を深呼吸する
 私
 今日という日が過ぎていく。

 あなたの母は88歳
 わたしの父は84歳。
 10年後までのどこかの日で
 あなたは母を失い
 わたしは父を失うだろう

 それは人という命(いの ....
窓から空を見上げると
 直線的なエッジを持った二条の白い雲がある。
 これは、と思ってよく見ると
 天井蛍光灯の映り込みだった。

 そうだ、自然界には直線は無いか極端に少ない
 直線 ....
 生命(いのち)が
 直列の文字で記述された糸切れであるとは
 なんと不思議で美しいことだろう。
 あなたも
 そして私も
 短い命の糸切れ。
 しかしその短い糸切れが撚り集まって
 太 ....
 25年前放送というシルクロードを見た。
 天山の白い峰々は今も変わってはいないだろう。
 砂の嵐も吹き続けているだろう。
 陽にやけたしわ深い老人をいまも見かけるであろうし、
 赤い衣装を着 ....
目が開(あ)いたのは15歳の時だった。
書くことにより大人になり、幸せだった時は
 空白が多い日記。
 それと目の前にあるこの本たち。
 ダンボールにうず高く積み上げられた
 昔から ....
 売れ残った雑草区画の向こうに
 陽が落ちようとしている。
 今日は赤い平面円盤ではなく50億歳の核融合球体だ。
 50億年前に地球は無かった。
 50億年後に地球は無い。
 単層の光の輪の ....
 母よ、
 あなたが逝ってから4回目のお盆が来る。
 冬のその日
 あなたは目の前で痰をつまらせたような
 ごぼという喉音をしたあと
 静かになった。
 ああ、この瞬間(とき)、母は死んだ ....
 あなたの首筋はいっそう細くなり
 顔には凝灰岩が多くなる。
 また体重が減ったよと力なく笑うあなたに
 私は何と答えたら良いものか。
 84歳まで生きたと、自分の家系では知る限り4番目か5番 ....
 合間に見える高い雲はほとんど動かないのに
 低く流れる暗い雲は西に早い。
 台風という渦の垂直壁を内部から見上げる。
 その台風のはるか上の天の川も
 銀河という渦をオリオン渦状肢から見たも ....
 今日のような穏やかな
 何も無い日を
 幸せな日と呼ぶのではないのだろうか。
 仕事、借金、離婚、再婚
 過去は
 土曜・日曜も何かの炎に突き動かされた
 ような騒々しさだった。
 定 ....
 歯医者さんでレントゲンを撮り
 移動台にフィルムを貼って先生が解説する。
 目の前にはモノトーンの頭蓋骨の半身。
 これが私というもの。
 こんにちは!こんにちは!
 道行く骸骨どうしが少 ....
 夏の頭上の銀河の
 あれが白鳥座のアルファ星、デネブ。
 それと翼の一端を結んだ真ん中近くに
 白鳥座61番星、惑星を持つという星、
 あるいは生命が芽生えている星
 が有るという。
  ....
 20歳は10時
 30は真昼
 40は午後2時で
 50は午後4時か
 60は夕方6時
 70は夜8時で
 80は夜10時
 そろそろ寝ようか
 蝉の声で満たされた
 盛夏の朝。
 よくもまあ、周りの木々のすべてに蝉が居て
 鳴き声の雲海で満たされたような日
 七日の命と言うが
 その短さを
 叫び続け鳴き続けるのであろう
 死 ....
あるふぁ(16)
タイトル カテゴリ Point 日付
家族の一生自由詩405/11/16 21:35
秋の日自由詩205/10/19 20:24
秋と人生自由詩105/10/2 18:13
空の直線自由詩605/9/10 20:43
DNA自由詩305/8/17 20:38
旧シルクロード自由詩105/8/16 18:31
ものたち自由詩005/8/12 19:50
夕陽自由詩205/8/11 20:11
母よ自由詩305/8/10 19:36
父よ自由詩305/8/9 19:38
渦状肢自由詩105/8/8 22:19
立秋自由詩305/8/7 14:04
日常の後ろ自由詩405/8/6 17:42
白鳥座自由詩105/8/6 0:30
人生を1日にたとえれば自由詩105/8/5 22:13
蝉の朝自由詩205/7/31 22:41

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