朝日がまぶしい窓際でタクミを撫でるのが毎朝の日課だった。
「久美ちゃん、もう、八時」
 後ろから男の声が聞こえて、タクミは私の手をすり抜けてベッドの中にもぐりこんだ。茶色い背中を見送った後で、思 ....
まぁ何であれ分類するなら同じニンゲンなんで。
そんなに変わりはないだろうと思うんですけどね。
隠したがるし見せたがる。
築き上げては破壊して。
仕込まれたカラクリは何時どのタイミングで作動する ....
 白井さんのまどみちお論のところでずいぶん息巻いてしまった。あれこれいってはいるものの僕のいいたいことはシンプルです。
 まず、自分でいいなと思ってしまうことはいったり、やったりしたほうがいいという ....
{引用=
  傑作

 これ若い人の詩だが
 ワカランから
 傑作なんだろうが
 でもワカラン
 ということがワカルから
 大傑作とまでは
 いかんのだろうよ
 見ても見えんでも
 ....
十二月の近いような夕暮れも移ろおうとして、ボジョレ・ヌーヴォーが解禁と言って景気よく人々に振舞われる様な頃、“ツキ”という名の男は綻びもせず転びもせずロビオーラの癖のつよい薫りを愛おしそうに嗅ぐのでし .... 弟は人に触られるのが怖かった。触られると電気のようなものが走るし、よくないものがうつる気がしていた。ただ、兄だけは平気だった。
弟が足をくじいて一人では不自由した時、兄は黙って弟の支えとなってやった ....
秋晴れの空に向かって窓が開いている。本棚ばかり大きい部屋には姉と妹。
妹は死んだ小説家の本を取り出しては「これは手」「これは肺」「これはくるぶし」と姉に教える。小説家は自らの身体と臓器をそっくり文字 ....
仲間と友達は違う。
僕はずいぶんと長い間仲間を欲していたが、本当に大切な存在は仲間ではなく友達だろう。なぜ友達が大切なのかは「そういうこと」という詩に記した。



仲間と友達の違いは何か。 ....
{引用=
 後書

 八つか九つの頃、瞬きが気になり、ひとたび気になると、目を見
ひらいていたり、瞬きすぎたりして、ぎこちなくなるということが
あった。意識しなくなるとともに症状 ....
「キャー!アスハルー!!」
「シンノスケくーん!!」
「キャー!!こっち向いてー!」
「ジロチョーさーん!!」
「アスハルー最高!!」
「シゲオくーん!!!」
「寿限無寿限無五劫の擦り切れ ....
ほんとのはなし

ねえ、きみ、なんでどっかいっちゃうわけ。ほかの女とさ。ねえ、きみはわたしのこと愛してないわけ。おれさあ、一人しかめぐりあわなかったんだよ。愛してくれるひとにさ。きみだけだよ。 ....
太鼓橋


桂大橋を渡っていくと袂で別れた嘉之さんがたっている。あれ、なぜ来た方に再た引っ返してきたものか、馬鹿だな。嘉之さんにお辞儀してもう一度手を振る。笑って手を振ってくれる。ああ嘉之さんさ ....
百羅漢には百の晩夏の孔雀蝶 本日の検証は、二日酔いで健康診断を受けるとどうなるか。
と言うのがテーマです。



・結果



→怒られた。

以上、報告終わります。
じぶんの詩のなんと吹けば飛ぶようなものなのだろうと思うのは、目のまえに起こり、去っていくものを書きとめながら、そこに、書き留めるということばの「留」めようとする杭を打つことをできない、とまで言えるかわ ....  雑念はいらない。
強くなりたいなと思う、
強いの定義とはなんだろう、
強くなったら、また強くなりたいと思うに違いない。
              間違いなく、腹が減ってる。
絶対的に情緒 ....
書くこと、について、ミハイル・バフチンというひとの本を読まざるをえなくなって、
でも楽しく読んでいます。
それはもう他の読者の方に怒られるかもしれないくらいざっくり言ってしまうと、
「小説って人 ....
 うそばなしが側にいる時はうそばなしについて書いてはいいが創作してはいけない。相手はあのうそばなしである、どんな嘘を吐かれているか解らない、潜入創作官たるものくれぐれも .... ウォーレス・カロザースがナイロンの合成に成功したのは
すくなくとも1935年のことです。彼がうつうつとした体を引きずりながら
デュポン社の研究所にたどりつき、ぶつぶつと誰にも聞こえないような
独 ....
正体不明の嘘が嫌いだ。
言葉を並べ立てて嘘をつく、政治家とか、弁護士とか、大嫌いだ。



抽象的だとか、混乱しているだとか、曖昧だとか、定義付け出来ないだとか、そんな、そんなものが大好きだ ....
僕はとてもパンクが好きだ。あまりにもパンクが好きなので、「今のパンクやなぁ!」って隣にいる人に言うこともしばしばで、いやぁ、ときおり思いがけないところにパンクを発見したりするんだけれども、と同時に世間 ....  過去のことを思い出すことが極端に少ないと気づいたのは30代に入ってからだった。「何も覚えていない」と人に言われることが時折あるのだ。そもそも私には思い出話をする習慣も無い。そう、私は「今」か「これか .... とりとめもなく書いてみようと思うのは、ポエムについて、ということは同時に詩について、ということです。

すこしだけふれておきたいのは、たまに、ポエムはだめで現代詩はいいとか、その逆とか、そうした話 ....
 太陽は月を殺す。早朝、渋谷、センター街。青白い空に太陽は輝く。その光は月を貫く。月は今にも消えてなくなりそうだった。だが、その姿を見るものはいない。歩く人たちは、輝く太陽の光を片手で遮っている。眩し .... 派遣切り 明日は我が身が現実に



どうしよう 婚約白紙チラホラと



集まれば 仕事をよそに身の行方



* 先日、NHKで「派遣切りがはじまった」と題した愛知県の自動 ....
近所にあるホントに小さな楽器屋でギターの弦を買って帰った。
張り替えたばかりの弦の感触はいつも嬉しい。
手堅く幸せ気分を味わえる数少ない方法だ。

明日オレは試される。頼むぜ相棒。
そんな感 ....
ここはぽかぽかしています
ぼくはここでこんにちはということについて語ろうと思います。
ことばそのもの自体が定着したのはだいたいが、かの国語統一
以降のようですが、そうしたものについては誰か話すひ ....
意味が、ことばを輝かせる。

というのはどういうことだろう、とこのところ考えています。

その途中経過のようなことを書きたく、書いています。

       *

ことばとは、意味を伝 ....
 世界は崩壊してしまったよ。馬鹿馬鹿しい連中はまだ信じちゃいないんだけどね。外の連中は腐った街にこびりついて生きて、中の連中はこんな所に引きこもって、それでまだ「大丈夫」なんて口にしているんだから救い .... ヘリは無事味方のキャンプに着陸した。僕は目を覚ましていたが、大佐はまだ眠りこけているようだった。先に地上に降り立つと、アスファルトを懐かしく感じながら数歩進んだ。そして振り返らずに、「先に行きます」と ....
散文(批評随筆小説等)
タイトル 投稿者 Point 日付
01:ふたりぼっち[group]chick008/11/21 18:09
絶え間ないBOOKEN...1*08/11/21 11:12
その痛みや嘆きや喜びや想いに優先権を与えないと。石川和広5*08/11/21 11:00
見ても見えんでもナンニモナイ 〜まどみちお「傑作」(『うふふ ...[group]白井明大7+*08/11/21 4:18
リヨンの月aidani...3*08/11/21 0:49
生まれ変わり[group]ふるる308/11/20 20:16
小説家[group]6*08/11/20 20:02
連帯を求めて孤立を恐れず結城 森士108/11/20 9:32
背きあう運動 〜貞久秀紀『リアル日和』後書〜[group]白井明大208/11/19 10:38
アスハル捨て彦4+*08/11/19 3:33
ほんとのはなし...m.qyi508/11/18 13:43
太鼓橋の補記1+08/11/18 12:42
百の晩夏108/11/18 12:17
検証その1BOOKEN...2*08/11/17 17:24
底抜けの宙白井明大308/11/17 0:54
 コントロールつぐこ208/11/16 23:34
ポエムのこと、を読んで思ったことれつら8+*08/11/16 20:40
「 潜入創作官。P. 」PULL.5*08/11/15 19:20
書簡−瞳の道筋−構造308/11/14 12:17
正体不明の嘘がとても嫌いだ結城 森士2+*08/11/14 9:09
パンクについて捨て彦5+08/11/14 7:05
記憶に巣食う鬼小野カオル3*08/11/14 1:12
ポエムのこと白井明大25+*08/11/13 1:16
<SUN KILL MOON>-fineブライアン1*08/11/12 22:40
派遣切りーいま職場で起こっていること寺岡純広0+08/11/12 7:16
ロッカーに転がってたBOOKEN...0*08/11/10 15:57
書簡−カーテン−構造208/11/10 2:40
かがやかせるもの つづき白井明大0+*08/11/10 1:37
剥ぐ者影山影司208/11/9 4:50
終わりなきメロディー 第4話K.SATO0*08/11/9 2:05

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