{引用= この鬱蒼たる森はかつて宮殿であった。腐葉土の堆積と地下茎の絡合に阻まれて遺構とて目に立たないが、ここから真北へ直進すると、やがて行き当たる巨きな樫の根方に井戸跡がある。崩れた石積を覗き込めば ....  図書館へ向かう道の途中に小学校がある。とっくに登校時間は終わっていた。
 出来てからしばらく経つらしく、白く塗られたコンクリート製の校舎はどことなく薄汚れ、遠目からでもそれとわかるクラックが入って ....
 たった三駅でも、待っている間は長く感じる。
 普段暮らしているぶんには意識しないのだが、どうもせっかちなのか、こういうちょっとした間が忌々しく焦れったい。
 おまけに忘れっぽいので、こういう ....
 さきほど行った商店街の、タバコ屋のあたりを通り過ぎて数分歩くと、普段会社で使うのとは違う、私鉄の最寄駅に着いた。
 いつ買ったかすっかりわからなくなった、現場作業でかなり擦れてしまった黒のGーSH ....
 あれから寝坊の心配なく、朝早く起きる事が出来たが、あえて会社へは行かない事にした。これから戦うためには、入門書のようなものを一冊読んだだけでは、とても足りないと思ったからだ。
 戦うといっても、会 ....
 折り返した電車から降りると腹が減っていることに気づく。
 そう言えば仕事が終わってからなにも食べていなかった。それだけアツくなっていたということだが、それほどまでに理不尽だと思えたのだ。
  ....
私立女子高。
可愛い制服と、私の他に、私の中学から受験する者が居ない事を
目的で選んだ第二志望の高校だった。
第一志望の高校は落ちた。当然第二志望の女子高は私の偏差値より
下回っていた。
 ....
原作は読まずに映画を観に行った。どうせ出来そこないの九州弁を聞かされた挙げ句、薄っぺらな人間把握を押しつけられるのが関の山と踏んでいたが、意外や意外。

人間把握の深い浅いはともかく、俳優陣による ....
一昨日。雨で仕事が延期に。けっきょく晴れたが。で、カミさんと映画鑑賞。『TSUNAMI』。韓国映画。ガックリ。不満解消に映画のはしご。『十三人の刺客』。まあまあ。

ラーメンでも食って帰ろうと、同 ....
 
 そうしながら、近くの店でコーヒーでも飲みながら読むか家で読むかを少しだけ考え、本屋で金を使ってしまったことでもあるので、よけいな出費は避け、用心して家に帰ることにした。決めると目の前の線が揺ら ....
 本は、とりあえずわかりやすそうなものから手に取った。
 見開き二ページごとに、イラストを織り交ぜた形で内容がまとめられているという体裁の、ちょっと字が読めさえすれば、誰にでもわかるようなものだった ....
「屁理屈言ってんじゃあねえよ」
 権藤と言う名前のその担当は、もう六十過ぎにもなるらしいという事なのに妙に元気な小柄の男だった。土気色の肌に酒に焼けたようなものが混じり合い、脂乗りしている。坊主頭よ ....
ながくのばしたかみの毛を深い赤色に染めて、頬は日焼けしているんだけれど、蒼ざめて。
いつか会おうね、きっと会おうね、手を振って、見えなくなって、立ちつくして。
みんないってしまう。
みんな、来て ....
 それから何ヶ月が経ったか忘れてしまいそうになるころ、事務所に呼び出された。
 所属先の会社は、発送業務を大手の書籍取次会社から請け負ってやっているという名目の、いわゆる偽装請負めいたことをやってい ....
 雑誌の発送という仕事は、期日の関係で時間との戦いという部分が多いせいか、気の荒い、というか短い人が多かった。男よりは女の人の方が特にそうだった。左ひざを痛めて辞めざるを得なかったが、かっては土方 .... 「俺、なんかあと一ヶ月で辞めろだってさあ」
 同じくらいの歳でよく話をしていた、ジージャンがトレードマークの原田という男がそう切り出してきた。仕事中だった。
「なんかこれから、いいバイトないっすか ....
血まみれになったものが部屋の隅に、黒く転がっていた。これは他殺による死体なのだが、案の定、私がここに呼ばれている以上は誰が殺したのかはわからないものだった。殺人事件である。彼の家族たちはかわいそうに、 .... 新しい芸術とは、本来、違和感が伴うものだ、なぜなら、私たちが、見慣れている既成のものから、逸脱している部分が作品上、多分に見られるからだ。それを言葉にすれば、欠損および不足、過剰、単調、複雑、奇妙な美 .... 歴史的な存在としての人間(僕が考えている場合では、この定義は正確であるかは疑問であるけれど、ごく一般的には、)は、親から子へ、年長者より若者へと、常に変質しつつも代々へと継承されていくものであると考え ....  もうふた月ほどたつだろうか。わたしは毎日、すこしずつ家財を捨てている。家財、といっても、どれもさまつな――そのほとんどは夫と共有して、それなりの思い出がつまっているのだろうが、もはやさまつとしかいい .... 今日は雨の中を外にバッグを持って、値引きであろう肉を買いに出かけた。

前に住んでいた、東京のスーパーは本当に熾烈な競争を繰り広げていたけれど、ここは郊外なので、なんとなく見たところそうでもない。 ....
冬の中山、新馬戦。14頭立ての芝1800m。
ゲートが開いて一頭だけなかなか出てこない馬がいた。彼だった。
大きく出遅れて4角まではとことこ付いていき、直線だけでごぼう抜き。2着に入る。
ラ ....
こういう詩が詩らしい詩というべきでないのか。表現に流されそうで流されず、作者の言いたいことが読み手に伝わる。切なさが控えめに、抑制のきいたまま伝わる。その昔、灼熱色の花を見て、女、Lycorisを想い .... 最近料理をしている。あまり外では飯を食べない。特に肉に関してはそれが外では冷凍されていることがほとんどなので、おいしい肉を食べたくなった時であれば、なるべくそれを自分で買い、焼いて食べてみることをおす .... こんな事を言うと変に思われると思い言っていないものに
光があります。毎朝 神棚と仏壇にお水やご飯を供える
特別な宗教などはやっていない そんな私ですが。
まだ独身の頃 冬の夜でした。
 ....
彼から、連絡があった。
「今日の、25時半ね。」
手短な言葉のうしろには、幼子の鳴き声。

あたしは、浅岡りか・38歳。いわゆるアラフォー。
彼、29歳。妻子あり。

自宅から通勤するあ ....
いつか書こうと思っていたものに竜巻があります。
あれは何年前だったでしょう。
天気のいい日に 屋根に布団を干したのです。
家のすぐ裏が山になっていて日暮れもはやいので
午後三時前には部屋の中に ....
彼女は、所謂雑貨屋で売っている服を着る様な人で、

私はパイル地の服ばかり着ていた
嫉妬していたのかもしれない
タオルになりたかった
彼女にかじられてボロボロになる夢を見ていた

彼女に ....
なんとなく、通りがかりの店でこのアルバムを手にしたのは、恐らくは中学生頃のことではなかったかと思う。あの頃はCDレンタル屋で本当に色々な歌手のアルバムを聴きあさっていたものだった。佐野元春の曲を聴いた ....

これは三年くらいまえになる話だけれど

建物の中でトイレを探すのにこれほど汗をかいた事もなかった。

まぁ秋田市内のデパートにはまだ洋式トイレが少ないって知らなかっただけ 。
 ....
散文(批評随筆小説等)
タイトル 投稿者 Point 日付
Queeensalco2+*10/10/2 22:01
原風景11[group]日雇いくん◆...210/10/2 19:56
原風景10[group]010/10/2 19:55
原風景9[group]010/10/1 3:32
原風景8[group]110/10/1 3:31
原風景7[group]010/10/1 3:30
「檻の中の同性愛」桐ヶ谷忍3*10/9/30 20:45
方言のちから 映画『悪人』を観たA-291*10/9/30 1:05
映画観て、人を観て010/9/30 0:46
原風景6[group]日雇いくん◆...010/9/29 23:30
原風景5[group]110/9/29 23:27
原風景4[group]110/9/29 23:25
はるな010/9/29 21:53
原風景3[group]日雇いくん◆...0*10/9/28 8:54
原風景2[group]010/9/28 8:52
原風景1[group]210/9/28 8:51
名探偵A番田 1*10/9/28 3:47
新しさと、詩と  mixi日記より前田ふむふむ11*10/9/28 0:59
歴史的自己  死者を介して    mixi日記より010/9/27 22:38
花冷え豊島ケイトウ14+*10/9/27 14:48
肉を買いに雨を、出た番田 210/9/27 4:00
「名」馬列伝(18) ノーザンポラリス[group]角田寿星510/9/25 19:44
Lycoris radiata についてぎょうてんか...010/9/25 7:58
鶏肉が教えてくれた番田 210/9/25 3:33
目撃したもの 光砂木8+*10/9/23 10:25
殺される森の猫2*10/9/23 7:28
目撃したもの砂木4+*10/9/22 22:50
メモ書き光井 新110/9/21 4:49
佐野元春のTHE CIRCLEを久しぶりに聞いてみたっ!番田 3*10/9/21 2:59
秋田のトイレアラガイs2*10/9/20 22:15

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