昔、僕は四月に、マルセイユを訪れていたことがあった。銃を持った軍人とすれ違うほど治安が悪いとされる街に滞在し、経由しないことには、モナコやカンヌといった見どころの多い街にたどりつくことはできなかったか ....

生きていることを楽しもうと、生きてみる。
すると呼吸がよそ行きの顔をする。夕飯が腸のなかで踊りをおどる。心臓がメトロノームになる。
段々、生きているだけで満たされていく自分が浮き彫りにな ....
去年、僕は確かに歩いていた。故郷の、すでに忘れかけていた風景を。僕はその、ぼやけた記憶をたどるようにして、歩いていたのだ。そして、仲の良かった友達と日の暮れるのも忘れて、遊んでいた道を。でも、もうすで .... 丘を上がると墓石が並ぶ場所に出る。
下草は短く切りそろえられているが、白い花がところどころ咲いている。
それらは明らかに伐採者の意思により刈り残されたものだとあなたは解った。
墓石の間を歩いてい ....
言葉も体と同じなので、つかわないとこわばる。動かしかたがわからなくなる。
さいしょはねじを巻くように、ぎしぎしと動かす。だんだん関節が動くようになって、のびやかになる。ストレッチ。何でも試してみ ....
あちこちで花が咲いてしまった。もう少し待って欲しかった。
ま新しいランドセルを背負ったむすめは、昼にも夜にも、こわいと言うようになった。わたしは(どうしてそんな愚かなことをと思うけど)なにが?と ....
僕は昔歩いていた。高校へ続く道だった。そして、何の変哲もない、駅からの、一本の通りだった。卒業間際には、軍モノのグッズの店が何もない空き家にできていたのだ。でも、それ以外は、記憶に残るもののない道が続 .... すべては過ぎていきます。

書こうかと何度が筆をとり、書けぬままにそれをおき、また筆を手にして動けなくなる。そんな日々でありました。もう何を書いていいのやら、だいぶ前から色んなことが煮詰まっている ....
昔何を僕は考えていたというわけでもなく。タイに僕はいた。タオという名の島を小型クルーザーのような船で、目指していた。そして、飛行機で日本を出る時に忘れてきていた売店で買ったイヤホンをしていた。人間であ .... 昔僕は、NYCにいた。夜の街の、薄暗いスーパーを歩いていた。遅くまでやっている服屋でTシャツを買っていた。分厚いガラスのビルに、そして、指先で触れては、ほろ苦い味のコーヒーに唇をつけさせられていた。サ .... 博士は一つの結論に達した。
過去に行くのはどうやら原理的に不可能らしい。なぜなら、「行く」ところは常に未来にしか「ない」からだ。

例えば古代の地球、三畳紀あたりでもいい。そこへ「行く」というこ ....
昔僕は中学の頃、部活以外で夢中になっていたのは釣りだったということを、時々思い出している…。僕は、異性と遊ぶということでも、電気式のギターをかき鳴らすことでもなく、一匹の魚を釣り上げるということに没頭 .... 森がありました。
そこでは陽もたいそう愉快そうでした。

何処からか陽気な小人が三人やって来て、素敵な小屋を建てました。そこで三人一緒に暮らし始めたのです。

ある嵐の日のことです。森に雷が ....
僕は昔、営業マンだった頃、湾岸道路の工業地帯の近くの食堂に時々行っていた。そこは、10メートルほどはあっただろうか…道が広いので、多くの車が暗黙の了解で停めているような場所にある食堂だった。僕は真昼の .... 昔僕は社用車で、連休前、家に向かって車を飛ばしていた。夜遅く、ストレスからの解放感もあって、足はアクセルを深く踏み込んでいた。僕は、そしていつもの高速の、通い慣れた側道の上だった。しかし、車のスピード .... 雉が鳴いている。
雉にとって鳴くことと同じくらい当然のことを、ぼくは、今日しただろうか。
タイヤ交換をした。何人かに電話を掛けた。ラティスフェンスを組み立てた。詩も書いた。
雉の鳴き声は、あまり ....
はじめまして、こんにちは。

正しくあろうとすることが生きづらさを生む、とどこかで耳にしましたが、いかにも正しさとは己の規範とするものであり、現在の状況を肯定するものではないからでしょう。ジッサイ ....
報告。銀河{ルビ辺境=フロンティア}から。

説明が要る。
まず、
「言わなかったボタン」とは言わなかった時に押すボタンのことだ。

人間なにかと言いたいものである。
またそれと同じくら ....
物事が自分の外側で起こっている。いつもだ。
春が来て行ってしまう、しかしそれも私の外側にある。
インターネットもセックスも季節もナッツ・ケーキもだ。
半月前に流産していることがわかった。これ ....
私のような低ポイントばかりの者は、TOPになった詩については
、いろいろと関心がある。そのほとんどに、実は興味はなかった
。しかし、ここでTOPになった詩が、ちょっと改訂したとはいえ、
別の場所 ....
捕獲されたとき、かなり暴れたので胸をビームで焼かれ、呼吸がつらい。「大丈夫。あと2~3時間もすれば完全に再生する。治ったら、何が食べたいか?」看護する猫顔の背の低い宇宙人がそう訊いた。俺は【自分で作っ .... 今日は午後の川原の道を歩いていたのだ。でも、空の向こう側にいる、かつての自分の思いを確かめるようにして。僕はファミマで買ったコーヒーを手にしながら、今の、僕ではなかった頃のことを思い出していたのだ。か .... 今日で地下鉄サリン事件から26年。

本来、平成の新興宗教団体のはずだった歴史上稀有な犯罪集団が犯した事件。
当時、一連のオウム事件から警察の一般人の電話盗聴が公然と話題になり、
ポケットにカ ....
 浜辺。
 二人の男たち。若い男、老いた男。

 {ルビ青白横縞=マリンボーダー}の水着の若い男はビーチチェアで日光浴をしている。顔に乗せた本は赤い表紙のペーパーバック。
 その隣で、
 サ ....
昔僕は、NYCにいたのだ。車の行き交うタイムズスクエアで、友人と写真を撮っていたのだった。そして、僕は何も考えていなかった。まだ暗さの残る朝、友人を撮影し、遠くに、塔を中心として二股に別れた道を見てい .... 春は嫌いな季節。だって、年上が年下をマウントしにいく季節だから。
大学生になったら、社会人になったら、10代のうちにやっておけばよかったこと、云々。を語り出す人がいる。私はそいつらが大嫌いだ。大体は ....
          雑記

年度別現代詩フォーラム・ポイント順文書リスト歴代第一位/TOP100 (2003~2020)
(尚、リンクは各年度TOP100であって、作品そのもののアドレスではない ....
 昨日。朝からの雨と風で、もしかしたら最後の勤務は営業休止になるのかもしれない。と、スキー場勤務最終日を期待したが、営業休止の連絡の電話は鳴らず、今シーズン最後の道の駅で時間をつぶすことにした。三月に .... 昔僕は相模大野で暮らしていたのである。僕の住んでいた部屋の下には若い米兵が住んでいた。通りには、まだいくつかの夢が、買ったばかりの自転車で街を走ると、見えていた気がする。車に傷をつけただろうと、走 .... あの日、ぼくは死期の近い人のそばにいた。基督教系のホスピスへ出入りし、ただその人の横に座っていた。モルヒネのせいで朦朧としたその人にとっての今は、50年前の初夏の昼下がりだった。そして、ホスピスは何十 ....
散文(批評随筆小説等)
タイトル 投稿者 Point 日付
フランスの暗闇で番田 321/4/24 1:20
4.23メモ道草次郎7*21/4/23 3:07
中学時代の風景を行く番田 121/4/23 1:13
テクストフレイバー ☆☆☆ 敵-場 貝道具 1200/300[group]竜門勇気021/4/22 13:34
メモ(つかうのこと)はるな321/4/22 13:29
四月521/4/22 13:01
高校生活番田 121/4/22 0:58
すべては道草次郎421/4/21 8:45
タイとイヤホンと番田 021/4/21 1:21
マスタードの匂い221/4/20 0:59
博士の結論道草次郎121/4/16 14:23
故郷と多摩川番田 021/4/16 0:54
メルヒェン道草次郎321/4/15 21:13
外回りと食堂番田 121/4/15 0:37
連休前夜121/4/14 1:09
雉の声道草次郎4*21/4/12 19:59
正解についてpur/cr...121/4/5 17:07
「言わなかったボタン」道草次郎2+*21/4/4 18:39
メモ[group]はるな721/4/1 11:22
ポイントに責任をst5+21/3/29 5:41
【みんな】のクリームシチューatsuch...3*21/3/23 12:12
上野公園の花番田 221/3/21 1:50
今日で地下鉄サリン事件から26年。足立らどみ221/3/20 23:42
Jean et Jean墨晶021/3/19 4:38
NYCの交差点番田 021/3/19 1:06
とりあえず息だけはしておけ月夜乃海花221/3/18 21:48
d1vE1n+0gdsf#01墨晶3*21/3/18 3:45
今日からは道の駅には寄らない山人7*21/3/15 8:07
エレキギターと空軍機番田 321/3/14 0:11
夕焼けの記憶道草次郎5*21/3/11 18:21

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