『じいちゃんとたばこ』
ねぇねぇね ねだる先には爺様のまあるい輪っかがプカプカ浮かぶ
天使の輪作ってくれたら大好きよ膝の間でワクワクキララ
『ばあちゃんとおんがく』
お出か ....
鱗粉を 撒く蝶々を 姉が追い「もう帰ろうよ」「行かないでよ」 ねぇ
死してなほ国歌と定めし売女を罵った兄 頬の引き攣れ
抗菌の ボールペン握り 立ち尽くす 書くこと以上の理由を ....
古里の小高き丘の菩提寺に
雪をかむりて立ちあらむ
{ルビ墓石=いし}に刻まれし名のありて
生きた証の名のありて
香華の絶ゆるなかれとぞ
過ぎし時をぞ思いたり
....
チンすれば温まるものばかりなら一緒に心も入れていいかな
「大好き」のハートの絵文字に隠された本心を吾見抜けずにいた
始まりが疑うことで惹かれあい傷つけあった恋の結末
半歩ほど距離を縮 ....
「プルコギは
プルっとしてるコギですか?
それとも
コギのプル夜ですか?」
韓国のある友人はこう言った
「たぶん夜ではないと思うよ」
紅を注し出掛けるのよと鏡越し微笑む君は別の女で
街角で見逃しそうな君の姿眼鏡外してあいつの横に
俯いて掴まえていてと頼むけどすり抜けるんだ絹のスカーフ
純白のドレスの下に隠してる黒い ....
少年がおしりを出して笑ってる
紅いネクタイちょっと緩める
春
キミをまつ ただひたすらに 空の下
いまかいまかと 桜木の下
夏
水しぶき あげつつはしゃぐ 君の笑み
まもりつづけよう 海辺の誓い
秋
....
なんとなくぼんやり空をみてるだけ
そういうときがいちばんすきだ
「どこまでもつづいてるって感じるの
だからわたしは空がすきなの」
窓ぎわの彼女は空を見上げてる
僕はとなりでコーヒー ....
追いかけた音符につまづく舌のことレモネードをくむ夜のきらきら
圏外のサービスエリア出る頃に公衆電話の黄緑おもって
蜂蜜をかけて闇夜に置き去りにした君の名がかなしんでいる
....
北からも南からも容赦なく真っ白な風に挟まれる私
君のその視線の奥にある未来私はちゃんと映ってますか?
寒い中砂浜で焚火してみたいある小説の真似するように
溜息に混じって出るのは幸せで ....
*
珈琲の苦さも世界のおしまいも飲み干せばやわく浸透してく
* *
爪を噛み 吐き出してみた そのかたち すべてこの世のひらがなみたい
鱗粉を 撒く蝶々を 姉が追い ....
焼け落ちたレストランの角通るたび蘇る日々 おもいでの骨
あまり好きではない人の年賀状ナナメに見てる端正な文字
うるう秒何が出来るか考えて考えあぐねただの一秒
あけましておめでとう でもいまわたしすごくお腹が痛いの知ってる?
添えた手に気づくことなく君はゆくサクサク音を響かせてゆく
あけましておめでとうでもさようなら 言葉凍って落ちた足元
....
抗菌の ボールペン握り 立ち尽くす ぐいと 書いた その字 珈琲
珈琲の苦さも世界のおしまいもさっさと突っ込む君の引き出し
引き出しのなかでちいさな人が読む「・・こ ....
凍る夜「かん、かん、かん…」と鎮火の報せ
わたしの野火を鎮めて欲しい
切り口を晒したままに立ち尽くす林檎のようなあなたを見てる
ファム・ファタール君の額に手をかざし瞳に揺らぐ鱗光らす
タンゴタンゴ、月が見てるね私たち ペットボトルが生きているよう
横文字で君を想えばファム・ファタール鳩が重たくなる夜が来る
き ....
思い出の中に存在し続ける鏡台のまえ立ち並ぶ瓶
香水をつけたことすらないころに描いた香りを飴にみつける
花もよう飴をなめててよみがえる憧れの味安っぽい味
大人ってつまらないよね。なんだ ....
「すきなものなんでもくえ」のそのあとに全会一致で来たパンケーキ
見ないよう聞かないようにききみみをたてた向こうの話題が吾に
「ほらおまえ「ちいさいですね」って言えよ」「えー、おまえいけ」 ....
重ねたる肌の温もり忘れえず また来るメールの長き行間
あても無く歩く裏道 影二つ今宵の宿は摩天楼下
指間よりこぼれし乳房引き寄せて しばし動かず 二日目の雨
上り詰めシーツに横たうひ ....
会えぬから想いをいっぱい詰め込んでお土産だけのボストンバック
旅できぬ祖父母に贈る駅弁は土地風薫る期間限定
太陽の光に染まり降る雪はプリズム持たぬ空気の結晶
饒舌な彼女の隣りで頬に手を当てて頷く 君に恋した
ティーカップの淵をクルクル撫でている細き指先 俺は恋した
「ぽっちゃりとした唇がきらいなの」尖らす唇 君に恋した
「ばかみたい」そっ ....
満月を
仰ぐ{ルビ自分=きみ}を
思いしが
ここがゆとり
自ずと知りけり
キスの一秒前に揺らめく引力をみんな知ってる こいびと以外
体温を求めるようにハードカヴァーの君の名前の膨らみなぞる
全体を凍てつくされた冬の森めぐりあえない君とは遠く
ちら と目が合った気がしたその刹那巻き起こる風紛れ込むきみ
お互いを知っているのに永遠に言葉を交わすこともできない
粉雪がとけるこ ....
北国へ向かう車内は変わり往く訛り現る境は白河
その昔一山百文言われたが今や尊う世界遺産
使命に河北振興掲げ上げ四季目覚しい吾未知の国
将也
とりあえずラブとピースで繋いでた君のホントを触れないまま
必要なものはノリだと承知して君に合わせた笑顔があった
持ち札は3枚。君と観た映画、朝焼けの街、好物:すぶた
方向 ....
夜な夜なと悪夢を食べる獏達はもう食べきれないと嘆いてる
さわさわわ幸せな夢紡がれて天の河辺に織女は歌ふ
星達のケタケタケタと話す声月はお出かけ午前3時
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