黒なりや濃紺なりや愛らしきウエイトレスのブラはガストの
遠い日に 赤いその{ルビ陸=おか} 燃え尽きて 花火を散らす 冬のよびごえ
高瀬舟 水面漣 塵に消え 叫びも聴こゆ 蒼の水底
異国の眼 怯える彼の子 金の髪 ....
水飲みて伸びしてヒゲを整えて顔を洗ってあくびす猫は
水飲んで伸びしてヒゲを整えて顔を洗ってあくびする猫は
{引用=(横たわる河をいつもひとり渡ったこの身も河のひと粒として)}
電源を切ったつめたい指先が私の花をふるわせて、夜
私だけを、という歪んだ夢をみて卓上の檸檬が暴発する
恋人か友人 ....
お見舞いの花が光を指して咲く 私の代わりに呼吸をしつつ
牛乳と着替えと洗面歯ブラシが お先にどうぞと譲り合う朝
薄い壁一枚隔てて悲しみと 希望の声で幼子が泣く
先輩ここめっちゃなじん ....
朝に
晩秋の小雨しと降るうすくらき朝の車はゆかしく去りぬ
髭を剃る朝に人を迎え夕に妻に会うためなりともに心して
歳とりて若きゴルファー打つボール転がりゆくをじっと見つめる
落ち着いて急ぐとしよう もうきっと間に合わないから焦らなくていい
千年が過ぎたら星を旅してる機械船にも休みをやろう
踏みつけた桜がいつか役割を終えて機械の一部になる夢
気分的には最 ....
踵立ちまばゆいものが降りそそぐ爪先立ちがうまくできずに
見ひらかれ縦にふるえる眼球にくちびるは沿い声を呑み込む
胸の山胸のけだもの胸の棘胸の氷に ....
昼起きて午後眠る間に子を造るけだものの{ルビ性=さが}知るか詩人よ
ぐだぐだと日記を書くなら{ルビ他所=よそ}に書け挨拶なのか御遍路なのか
....
踏切をこえて
タバコを買いに行く
徒歩15分のコンビニエンス
ああここは○○君の家だっけ
まだあるのかな
公文の教室
小学校
遊具の数が減っていて
擦り傷つくら ....
大学の同級生の写真の尻を眺めて俺もがんばろうと思った
○ 速達のお見合い打診裏返し機械仕掛けの神をさがす朝
○ 峠路見上げる雲を追いかける不採用通知届いた午後は
○ 空気、水、一日三食昼寝付き、週休二日 我がマニフェスト
○ ....
スーパーの花屋にひときわ目立つむらさきアスター求めけり
今朝もまたいつものごとく出でてゆく妻の車をそっと見送る
微妙という言葉は使い易いから中途半端に何度も使う
忙しい朝の時間を乗り越えて専業主婦は午後を楽しむ
四という数字を嫌う人々も四つ葉のクローバーだけは大好き
青空も曇り空でも雨天でも人 ....
明け方の君の東に浮かぶ月 結んだ笑みを天空に引き
ラベンダー色のネクタイ選びおる 君の背中に濃く秋が降る
風が吹いて波になって髪がシーツまた波となり
またするの?君が聞く ....
瞳から零れるユメの冷たさは心の闇に届かないまま
君の名を呼ぶ前に来る朝だけが幻覚の中白く輝く
ばかやろうパウンドケーキのデコレーション 崩壊 マイ・ディア・チョップスティックス
きみのむねの不整脈をただ聞いている 静かにまかれるこうふくの糸
保健室のひか ....
気まぐれに硝子の冬は燃えあがり舌先の火に顔ちかづける
老人が甘えたらすぐ見せしめにサウンド・オブ・サイレンスを燃やす
こんがりと表裏なき ....
名工は名利を求めず己を知りただ足るのみにしありせば
土曜日のドライブに出る始まりはベートーベンのカーステレオ
川の辺の野はさみどりに広ごりてやや曇りたる秋の真昼に
車窓より心地よく吹く風ととも車は走る小浜市へと
山際に黒い雲あ ....
朝おきて 院内散歩、駐車場
抱き合うアル中男女 横目に
外出届ださずこっそりぬけだして
近所の犬の 分布図つくる
つながれたライター使うのめんどくさい
隣のひとに、もらい火を ....
くびしめて ないてなぐって
ひっかいて
一緒にいきたいだけだったのよ
夢はユメ 現はうつつ
ほんとうに?
マーブル模様に今まじりあう
施錠された ....
ヒーターのタイマーを入れ忘れてて 崩れるからだはどこにも嵌まらず
ぬぎすてたパンプスにさえあらわれるのか いけどもいけども獰猛な闇
写真の数のたりなさを ....
寂しさを違う誰かで埋めるなら きみってわたしのなんなんだろう
つまらないメールの返事に白けては アドレス帳から消すか迷う
疲れてる?そうなのだったらそう言って 無機質な文字、色もつけずに
....
春を待つ桜切らるる悲しさよBSにみちを譲るためなり
とび出せば妻の車は坂登り曲がりてゆくなり朝7時半
金と銀あるいは薄黄
昨日までは
なかった香りが空気にとけてる
何がとかれ
何がゆるされ
何が満ちて
金色の粒今日咲き始めた
一木の
日当たりの側か
天辺か
どこかで少しだけ ....
「七日間、一人で夜を過ごすなんて。やだよ、きみの指を食べたい」
「言われても、無理は無理なの。ごめんなさい。爪はちゃんと切っておくから」
「謝ってほしいわけじゃないんだよ。もう文字も声もおなか ....
暗闇の中を手探りで進んでいたその手が彼女の乳房に触れて
干からびた星を何度も摩擦する妊娠したら教えてよ
バスフォームを投げ込まれるための浴槽で幾億の泡が生まれて消える
水面を波紋が走 ....
薄雲が流れて来ました
うっすらと翼を広げた鳥の形の
昨日よりもっとまるまる真ん丸な
月にふわりと羽衣しました
やがて雲が去ったあとには真っ白な
鳥の卵が残されました
光る卵
....
○ 真夜中の一人影踏み自販機の照明ばかり狂い咲く獄
○ 日の名残りは羽虫の痛みすれ違ううつむく女の目尻照らして
○ 川辺に来て砕ける鏡の切片に殺すはうろこ雲のみならず
○ ....
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