自転車の
免許を取ったあの日から
いつもシン ....
閉められたドアノブ少し回しては開かないことに安堵している
「心まで閉じないように」ドクターは笑って出てゆく閉鎖病棟
消灯と同時に鍵がかけられる冷蔵庫には凍った心
見回りのフラッシュラ ....
あの人は食物連鎖を説いている私は夜明けの海辺を想う
ドップラー効果のように両耳に足跡残して去ってゆく人
もう二度と悲しまないという事はもう二度と誰も愛さない事
まぶたまでお湯につかっ ....
手のひらで星を掴む奇跡とはあなたの中の優しさにある
宇宙とは実は安易なものだとかすれ違いざま妊婦が笑う
真昼間の星を見たんだ宇宙とは君の子宮の中の出来事
火星から便りが来 ....
無造作に投げ捨てられたポケモンと携帯電話とコカコーラ
約束が月に照らされ輝いた一筆書きの「未来」が揺れる
映画より羽ばたく日々を好む君大きな幹に凭れて過ごす
一人から二人になった私たち自宅の電話番号同じ
午後四時に狙ったように雨が ....
【さっぱり】
さっぱりとした後味のタイカレー そんな男になりたい私
【至】
舌肥えた彼女の心掴むため腕によりかけ至高のメニュー
【寿】
寿の文字が遠くへ消えていく おひとりさまに慣れ ....
北新地
....
クリスマス
....
せわしなく
忙しいのは
好きじゃない
空想したい
イメージしたい
キャンドルの光で
頭の中 照らし
ぼうっと浮かぶ
理由 占う
....
元囲碁部の男は突然雨の中走り出しては女の名叫ぶ
灯台できみと暮らしたいと伝へたがよりよい返事もらへず笑ふ
資本家とお食事しては思ひ出すプロレタリアートつて何だつけ?
尻に ....
香を焚き
骨を鳴らして
身を癒し
明日の夕べも
....
潮風は青い海からの贈り物まだ青臭い恋も会話も
昭和から平成になり次は何?本棚にある「バブルの肖像」
島国で生まれ育ったこの命若草色の癒やしを好む
土曜日は青春色が顔を出す文庫本か ....
あれ?
あいさつのピカピカひかるばかよ床の上には 乾いた麺よ
きんぎょばち立派になりましたか夏バネが伸びていてはずれないよ
寒さから守る布団にくるまれて春の陽気にくるまれる夢
片思い許されてない恋だからシュレッダーでバラバラになる
家の庭植えて育てた花が好き白い帽子が日焼けを防ぐ
一通の手紙で恋が始ま ....
美学とか
信念がある
....
会いたくて
生まれてきたの
あのひとや
きみやみんなに
ただ 会いたくて
僕はただ君のことだけ想うから君も僕のことだけ見てて
逞しい君の体を想うたび僕はほっぺた赤らめている
君の腕筋肉ついて堅いから触れたときには安心できる
僕はただ君の心が欲しいから君の眼差し常に気に ....
死ぬように廊下へ寝そべり「冷たくて気持ちいい。」と言う幸福そうに
分度器が空から一億降ってきて 空がまばたきしているみたいだ
放課後に人体模型の目を隠し リトマス試験紙こっそりなめろ
....
もとめあうことのできない淋しさはなんてきれいな夕立だろう
ねえ、死にませんかとふいに問いかける硝子のようにうつくしい人
すきまから洩れだした風 ああきみの前世はぼく ....
脱衣所の
明り僅かに
湯舟には
キャンドルの炎だけ
香る夜
なんもかも
....
小学で人の靴を隠した 中学で自分の机がなくなった
制服学ランじゃないからってなにもブレザー切らんでも
好きなアーティストのラジオ聴いてるだけでオタクとか
結構前から居まし ....
ひたすらに愛してゐれば遥かなる彼を思ひて胸が高鳴る
恋心溢れてゐれば中年のわれと云へども若くなるかも
同性を恋するわれは孤独でも彼がゐるゆゑ淋しくはなし
男色を愉しむわれは背徳かされども此 ....
バリケード築いた後の高揚感敵は政府に非ず我が子だけど
風船もまともにふくらませずにゐる僕に愛想つかして妻子はディズニーランドへ行つた
【洗】
洗っても落ちぬ返り血どうしよう 犯人オレだと解ってしまう
【でたらめ】
でたらめに女抱いても虚しくて彷徨っている恋愛砂漠
【蜂】
休もうよ死んでしまえば終わりだよ 働き ....
連絡がとれないことがミルクティー、イン・マグカップ、紛れてくれない
大粒のH2O葉を覆い我のなかにはデカルト現る
偏狭なナショナリズムとファシズムの説明受けし昨日の授業
美しき挿絵に ....
多分まだ
明日も朝日は
射さないが
多分死んでも
報われないが
おねしよと云ふ言葉に魅入られたる三十五の男闇を識る
傍らのジム・ビーム・ライの空瓶がしみじみ語る故郷の風を
ともだちはほとんどゐないときみは云ふ莓でも食べて海へ行かうか
....
子殺しと云ふ言葉ふと浮かぶとき毛穴に潜む蟲らざわめく
大人には理解できない儀式ありみどり児だけの秘密の記号
浴槽におもちやのあひる三羽いて子供とともに茹であがつてゐる
168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208
【短歌】このカテゴリでは31音律「5.7.5.7.7」を基本とした短歌と、その音律を崩した自由律短歌作品を受け付けます。短い自由詩は自由詩カテゴリへ。短歌批評は散文のカテゴリへ
0.54sec.