大好きな君が
クッキーを食べこぼしたから
掃除機をかけたら
君まで吸い込んでしまった
僕は慌てて、中身を空けて
ゴミを引っ張り出したけど
君は出てこなかった
全部ゴミを出したのに
....
去ってしまったあの人は、拙文に対しても
作品として本質を見出そうと温かく優しい眼差しを以って
努力して読んでくれていました
去ってしまったあの人は、現代詩が成立するには
作者と読者の双方に ....
死んだふりばかりうまくなって
世渡り上手になれなくて
からっぽの冷蔵庫みたいな心をもって
誰も愛すことができない僕は
たまに必要とされることが
たまごを割る時みたいにうれしい
かな、かな、かな、
音が溢れている、のに
耳が何も拾わない時に出会う
かな、かな、かな、
汗ばんで、湿った髪が頬に貼り付いている
だけれど氷水より冷めたものを浴びせられた気がする
{ルビ愛 ....
シーリングファンを眺めていたから神経衰弱
『{ルビ業=GO}』という言葉が日本語にあるという。
私がある民族紛争地域に派兵された際、最初に降り立ったベースキャンプでたまたま仲良くなった通信兵で日系二世のケンジに教わった。
「『業』 ....
い、痛くないの?
男のひとの満足げな顔って決して嫌いではないのだけど
京急立合川駅って普通電車だと運転免許試験場のある鮫洲駅からひと駅
競馬の好きな方なら大井競馬場への最寄駅で通り良いか ....
屋根と壁が囲う空間に
電気も水もなくなって久しい
電池式の呼び鈴だけが細々と生き延びて
呼ぶものと呼ばれるものを待つ無音
応える黙を聞いている
歌が通りすぎ
語り合いも既に終わり
沈 ....
地球上のすべてのおともだち
起きていますか
これが世界の夜です
想像しうる限りの細く高い断崖を
脳の荒ぶる日本海に築いてください
その先端で風に圧されながら
体育 ....
{引用=
。
。
(( 波打ち際を歩いていたら、楕円形の貝殻を拾ったよ。内側に当たる部分が少し窪んでいて、背中には凹凸ひとつなくて、歳月の輪郭はどことなく、やさしさに似ているね。 ....
わたしは眠る
何処に
毎夜訪れる生贄の儀式
わたしは焼かれて
再生させられているのかもしれない
夢を往復するために
いや
目覚めこそ幻覚
わたしは起きている感触 ....
あなたがいる
汽笛がなって
レモンバアムのかおりがひろがる
わたしはいない
鰹節の振り子のように
首を捜しにでる
あなたとわたしは
しばらくたちどまる群集のどこかで
(それもち ....
幻の列車
行き先はどこか
前へ進んでいるのか
下へ落ちているのか
幻の造花
手のひらを刺す棘もない
皮膚より下に皮膚はなく
皮膚より上に皮膚はない
こうして硬直していく
陽光 ....
温まった砂浜に
背中を合わせて
目を閉じたら
じわっと溶けて
地球に
同化していく
かなしみの花を敷き詰めたその
庭園であなたは白い息を吐くの
見失うために出会う速度超過の
ただ二千年に一度の出会いだよ
もう表面張力ではとめられない
世界は私の網膜で壊れていくよ
....
蚊を潰しても何もない
血を吸われるのが嫌なだけ
嘘じゃない
本当だよ
好き嫌いが激しくて
キノコを残すんだ
あのキノコは成熟しきってなかったな
君が喋るから
口を塞ぐんだ
僕 ....
虫取りの子たちが
アジサイの茂みに見え隠れする
夢の色を追いかけて
おおきくなってしまった
ぼくは
その動きをなぞることができない
思い出して叫んでみても
ブランコの揺れと ....
ずっと
深い底の ほんの少し上
ふたり歩いていく ひしめく無音の群に押されながら
姿を失ったわたしと
透き通るからだに 誰かの貝殻を包み込んだ ちいさな海の仔 と
ふたり ....
工場街の外れにある袋小路
ボロボロになった雑誌を小脇に置いて
今は誰にも咎められない
踊る石筆
アスファルトは真綿のように
こぼれ落ちる問いを吸い込んでいった
ドラ ....
あまりにも苦しいから
もう子供なんかいらない
そう叫んだら生まれた
あなたは私にいう
生まれてから記憶があるまでの私は
私でないと思うようになった
だから
なぜ生まれたかを思い出 ....
キューブの内側は白い部屋
上の面は解放されていて
太陽の光が
四十五度斜め上方から降り注ぎ
部屋の内部は
濃いグレーの三角柱と
白い三角柱に二分され
その中央に球体の女が
在る。
....
朝早くから祖父が死んだ
葬式の準備に追われながら
仏壇の前に寝かされた
小さく硬く冷たくなった
祖父の姿が目に入る
子供の頃
遊び疲れて歩くのを嫌がったおれを
毎日のようにおぶっ ....
水が一滴一滴
落ちる。
命の水が
落ちる。
虚しい心に
滴が落ちる
自然にまかせて
逆らわず
夜明けが待っている
静寂のとき
朝露に濡れ
二胡の音に酔いしれる
星の ....
鏡の中に
鏡の中に、ともに映った
妻の姿と僕
にっこり微笑んで
買い物のため
二人で訪れた,スーパー
明日は。その後は
君と僕
きっと幸せだろうね
三十二年一緒だ
君には少 ....
ほんとうのことは知らない
まつぼっくりがとても燃えやすいことは知っている
眠っていても
自分がものすごい勢いで回転していること
はるか遠い一点を目指して疾走していること
そんなことを知ってい ....
人生だとか 喜びだとか 私だけではなく
悲しみを
自分にしてしまえば 納得できる
悲しみは 全体は知らないから 出て行くのだから
私なのだと 知っている
理由もない公園で
暗闇は ....
今宵わたくしは清らかな月が照らす中で
静かに静かに死に向かうのでした
わたくしよりひとまわり大きなわたくしが
わたくしを殺しにくるのです
あぁ月が南中する…
時刻はまさに0時をまわるころ
....
スルメイカの
矢印が
空を差している
私は
宇宙から
来たのだと
故郷の星へ
帰りたいのだと
お部屋はお気に召しましたか?
お部屋の窓から見える山にはヒグマがおります
わたしどもの誇りとする山々でございます
あの山から流れる川はそれはそれは清らかで
オショロコマはもちろん
イトウも大 ....
僕には重すぎたので
昨日に孤独を置いてきた
今日みんながそれを見つけて
見えないふりをする
でも孤独はみんなを見ている
深海のような眼で
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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