イヤホンの中に空が広がっている
入道雲にふと船が座礁した
そのような音が聞こえる
深夜、そして、私
途方にくれる船長のポケットの中から出てくる
いつの間にかなくしてしまった ....
左耳から右耳を目指して
針金が進んでゆく
脳の内部がちりちりと痛んでいるから
ぼくはお砂糖をかけました
甘くなった脳みそは
外側から溶けちゃって
甘い汁が耳から垂れた
きらき ....
夢にも出てこない日々が続いて
将来だとか希望だとか
とうの昔に自分から消えて
生きるため日銭を稼ぐ仕事に
悔しさを感じることもなく
工業機械が働く日常の
オイルまみれな日々が過ぎて ....
あなたの亀など知りたくなかったの
済んでしまったあとで
どうしようもないけれど
私のことは二度と思い出さないで
電話もメールも絶対によこさないで
心変わりと思っているなら
ちょっと違う ....
どれぐらい悲しいの?
朝日がきく
私はなにも言えなくなってうつむく
夜に忘れてきた
なんていいわけをして
昨日のページ/かきかけの
破った
どうして?
朝がきいた ....
苦い思い出を語れというのならその昔
廃材置き場になっていた広い空き地の泥水路に丸太の橋が架かっていた 。
小学校から帰ると幼なじみの僕とK君はイタチのようにそこの盛り土に上がっては秘密基地 ....
ゆるりと目を開ける
雨夜は私の体温さえも{ルビ蝕=むしば}む
寝ていては私の命が危ない
蒼い瞳をぎょろり動かして
アスファルトの溝に水たまりを見つけた
少なくとも今日は飲料水には困らない ....
生臭い昭和
汗臭い昭和
土臭い昭和
泥臭い昭和
黴臭い昭和
前向きな昭和
ひたむきな昭和
むきだしの昭和
のぼり行く昭和
さわがしい昭和
のたくった昭和
かたや聖書に手を ....
さっきからずっと
いちごチョコが大好きって話を
何度も何度もする君を見つめながら
僕は何度も何度も君を愛しいと思った話を君にすると
君はまたいちごチョコが好きな理由を
何度も何度も話し始める ....
火曜日に君に逢う
週末の休みが大好きな僕が
土日なんて要らないと思うほど
火曜日を待ち焦がれながら
まだ触れたことのない
君の手の温度を知りたい
どこでもドアのない世界は
時 ....
また
蠅のうなるような音の中で
眠らなければならない
また
人の囁くような声の中で
眠らなければならない
沈黙はいつも
常套手段
ひと言もいらない
人はペンを拾って
....
涼しくなったらさ
秋になったら
河原の芒が風に泣く前に
月が細り始める前に
右手を掘り出しに行こう
あれはまだ絵筆を握っている
才能はないんだ
カンバスの絵はみんなカッターナイフで
裂 ....
花園から投げ捨てられたものだったのかもしれないと、
ぼんやりと思い描いてはいたのだがー、
あいつー、刑務所からの出なんだって、たまげたものだよ、
キミもやつの噂を知っているかな。
....
{引用=
体積土から
掘り出した
熱を持たない小鳥
かつて生えていた羽
骨のような形
突き出して愛し
摩擦して
励まし
静かな森にだけいた
生きにくい獣
水晶で出来た舟の材質 ....
モナシノウクの声がして
強靭な凍てつく風と
たましいを貫く光 ....
残してきた思い出たちが
私の手を引く
優しく頬をなでるから
私、切なさに胸が痛い
声も
仕草も
笑顔も
今でも感じられるのに
温もりだけは
感じることができない
もう
....
そのまま東へ進めば
青春時代を過ごした街まで
たどり着くのだろうけど
特急が進行方向を変えたら
あの北の雲の先に
私の帰る場所がある
中途半端に古ぼけた駅舎の
売店はもう閉まっている ....
鉄砲風に乗っかって つまら時間に乗っかって
脳みそで永久を語る 絡まった放電を解くの
逝き方はしらない 歩く背伸びなら感じたとこ
夕方かたむく世界を落ちる機械をうけとめるのは土
作暁 なか ....
黒塗りの雨が心地良い
静かな夕立
水びたしの街
揺れ惑う灯りだけ
ひとりぼっちの僕を見てる
光が洩れた
バスルーム
子供の声が
はねかえる
ファミレスの奥で 語り合う ....
「人を否定してはいけない。」
「でもしかは言わない。」と
昔の上司が言っていた。
今分かった。
相手の言葉を繰り返す事を
「〜なんだね。」
「〜そう言う気がするんだ。」
やんわりと言う。 ....
ストレスが溜まり
怒りっぽくなった
空気を抜かなくては
しかし金がない。
スポーツしたいが
する暇がない
我慢をするしかない
精神的にどんどん
追い込まれていく
逃げるところはな ....
荒野を走り行く
彼は救世主か壊し屋か
世の中に訴えかけ
革命を起こす。
正しいことをする。
快楽をさける。
苦しみと遊び
死んだように寝る。
1000年の夢も冷め
地獄へ落ち ....
商店街をふたりであるいた
天井の高いふといアーケードを
ふたりはわらいながらあるいていた
仲良しだった
ずっとふれあっている
それでもふたりはきのうもっと
あのとき ....
めざめると午前のひかりがくっきりとしていた
きょうの天気をもう決めたかのようだった
ベッドわきのまどをすこしあけて
ベランダもあけるとカーテンの透き間から
ひらべったい雲が水い ....
短気が弾み胸をしめつける
亀背のかげを自転車で追って
「声」にならない
「火」の消えたリズム
「色」にならない
「水」の濁ったハーモニー
悪夢にしばられた近い「時」
....
向かいあってつながっていた
ユディットがめのまえで揺れていた
しりの肉をつかみ上下に揺すった
目をほそめたユディットが弛緩していた
すすり泣くのが絵からこぼれているようだった
....
自分の命は誰のものだろう
生きている意味はあるんだろうか
だらだらと下る坂の途中で考えた
ゆっくりと
息を整えて
下る
自分の命は自分のもの
人間は自分の命が一番大事だ
だから他人の命 ....
校庭の隅っこで
秋風に吹かれて
あれは百葉箱
百片の言の葉を入れておく白い箱
言葉なんて
目に見えるものではないから
留め金をそっと外して開けてみても
なかは空っぽだ
ほんとは ....
白鳥を見たことがありますか
クラリッサをルリルするドンドの美しい瞳
動物園ではなくて
柵越しにではなくて
檻とか
金網とか
ああいったものは
目の前にあると
とたんにわからなくなる ....
ぼく ときみ
泣きそうな 瞳
ふたりして 莫迦みたいに。
現実が厳しい、なんて
つまらない言葉
吐き出して詩人のつもりか?
ぼくは弱すぎる所為で
いくつもの現実を選んでき ....
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