{引用=クロウタドリが飛び立つ ――エトムント・フッセルル『論理学研究』}
「きみは大人の思考を知りすぎている。ぼくはまだ子どもなのに」
「きみの胸は白くて綺麗だ。ぼくの頭脳はしみだ ....
生温い光り方をする情緒不安定な欲望の形を丸飲みする午前、仰ぎ見た明星のなんと鮮やかなことか?口角をむやみに上げた気の触れた女たちの集団が、まだ人もまばらだというのに毛皮の生産に反対して肌身 ....
アホは言葉を知らぬ。
裏を表のことだと思い、
明日を昨日のことだと思っている。
アホは我慢を知らぬ。
悲しければすぐに泣き、
楽しければすぐに笑う。
アホは世界を知らぬ。
途方も ....
私にやさしくしないでください
やさしくされることになれていないものだから
胸のあたりがやけにこそばゆくて仕方がないのです
私にやさしくしないでください
あなたにやさしくされるたびに
....
色鉛筆のケースの中で
弟が眠っている
一番落ち着ける場所らしい
父と母はテレビを見て
時々、笑ったり泣いたりを
繰り返している
ケースから出された色鉛筆で
僕は絵に色を塗る
....
今日も君は
大型の想いを飲み込みながら歩いてゆく
そんなには無理ではないかと
私の心配に気付かず通り過ぎる
ホームにつくと開いたドアの中に
ぎっしりヒトがつまっていたから
後ずさりした ....
傷ついたふりをして
他人の心を踏みにじるのは
いつでもおまえの手口
被害者面して
本当に弱い人間を打ちのめす
見ていないで助けてくれ
座ったまま小さく呟くだけで
誰の心に ....
てんぷらやのごしゅじんが
きょうも
てんぷらをあげている
あきないのだろうか
きのうより
きょうが
おいしくなっている
あきないのだろうか
てんぷらやのごし ....
あるひ
あるわかものがやってきて
わだいこを
たたきはじめた
かおはちちににていて
ははににている
わたしにもにてるけれど
おなじではない
わかものはなぜ
たたき ....
蚊が喜んで
私の上腕の血を飲んでいる
尿酸値も高く
触れたくないが血糖値も高いかも知れぬ
健康な血ではなく
ちょっとヤバイ
その蚊を見ていると
ふと思い出してしまうんだ
君の事を。
....
朝早く
女が僕の布団に潜り込んできて
いろんなことを言ったけど
消えちゃった
僕は彼女がなにを言っているのか
全くわからなかったけど
大切なことは要約ができないと
言っていたような気がす ....
瞼を閉じれば
世界は僕の輪郭が境界線となる
その暗闇の中はなんでも僕の思うまま
せっかくだから普段出来ないことをしよう
すれ違う人の顔に×印を書いて回ったり
ビルの屋上から段ボー ....
1
川には白く白く波が立ち
いくつもの太陽からの光が反射している
南と瀬名が歩いている光景が堤防の上に浮かんでいた
今では大きなマンションが並んだロケ地を
飛んで行った 青いスーパー ....
火は明示する
ひとは木を育て
木はひとを育て
風はひとを舞上げる
ひとは土のために生き
水は
はじめから水に流れた
ただ自然になりたいと
あのひとは ....
サーカスでもない
植木鉢の底を抜けて
根は伸びていった
熱い土のなかで
接吻したい
ホースの震えは止まらず
地下鉄電車は走り続ける
都会の真中で バットとボールで勝負したい
ゆるい栓を ....
まだ冷え切った館内に、朝九時を告げるチャイムが
流れた。つづけざま、非常警報ベルが鳴動を開始した。
その音を合図にフロアにいる者たちはみな申し合わせ
たように、作業帽を手に取って立ち上がった。 ....
たびたびおとずれる
手をのばさずにはいられない衝動と
どこかで燃えつきるはずの悠久の紳士が
消えずに残るわたしの瞼をゆきすぎていく
それはまるで
ひびきを吸いとる
木綿をまとった異国の旅人 ....
このあふれる
愛しさを配りたい
3人の子を産み
必死で守り育てた
その愛しさで
君に
あなたに
さみしさを知っている
みんなに
不思議と
あたしのまわり ....
あいしてる なんて言葉は
飾りだと思っていた
言葉の意味さえ分からずに
恋愛ごっこを繰り返してきた過去
どの あいしてる も嘘だった
薄っぺらい中身のない言葉
君に愛され ....
時計の針が逆向きに
動き出す
こぼしたスープが
皿の中に戻る
記憶が戻る
創造性が戻る
集中力が戻る
体力が戻る
失われていた時間が
元に戻る
少年は夢中に勉強した
人は ....
沈む太陽は真っ赤に染まり
朝に真っ白になって蘇る
雲はこのドラマチックな再生を
反射させて演出する
空はこの死と再生の間を
透き通る蒼で見守っている
鳥はそれを知っているから
....
心に映る景色 鮮やかに胸躍る
何ものも寄せつけない
強く鮮やかな光
ふわふわとした淡い空間の中で
変わっていけるように
いつかなれる?
自然のように癒される空気の中で
広い空のよ ....
あの日母が
私を見つめていた瞳が
なにを想っていたかが
ふいに想像できた
歪んだ方向しか
見ようとしなかったあの頃の私には
真意なんてどうでもよかった
気をつけていきや
そう言 ....
新宿駅の地下連絡通路に連なり通行人をガイドする
柱の鏡で彼女は念入りな化粧の最中だった
思春期の門口に立つ少女のようにあどけなく熱心に
出勤前のホステスのように身を乗り出し一心不乱に
何千とい ....
(前回までのあらすじ)
金八先生を金髪先生に?
なに手垢にまみれたこと言ってんだ、ボケ!
3年ごろしも、トイレット博士だろうが!
同じパロディやるにしても、もちっとマシなもん考えろよ!
....
失速していく雲を見ながら、
今日は失踪日和だな、と呟く。
プラスチックのストローの端を囓ると
孤独の味がした。
久し振りに読む小説の
栞の紐が色褪せた橙で
苛立たしいような
物寂しい ....
カピパラシュートがせなかにおりてきて
ふ(や)けた頭
よふけの裏庭に飾ったら
つみとられた朝
ただのみちを
ひとつ
抱く
喉の奥になにか黒いかたまりがあるのを感じる
それは影よりも黒いのを感じる
焼け付くように黒いのを感じる
私は心疾患のある患者ように
必死で左胸を抑える
私は口が聞けぬ子供のよ ....
「そっちへすすんで」
「なぜ」
「見せたいものがあるんだ」
「何を」
「見ればわかるよ。嫌なら見なくてもいいけど」
「わかったよ。左だね」
「そう。門を背にして左」
「あの ....
「こうなって あういてう」 指差す君
「こうなって あういてうぅ」 何回も
「へんな ロボットぉ」 僕に訴える
こうなって・・・
25年前の君の声が
僕がうなずくまでずっと
小 ....
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